2002 Fiscal Year Annual Research Report
内因性NO合成酵素阻害物質の高感度定量法の開発と血圧の恒常性維持機能の解析
Project/Area Number |
13672250
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 智文 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (30187306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 一洋 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50012620)
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Keywords | 一酸化窒素 / HPLC / 蛍光 / ジメチルアルギニン / オルトフタルアルデヒド / 誘導体化 |
Research Abstract |
動物個体の血圧は、生体の恒常性維持機能により一定の範囲に保たれている。血圧は、交感神経系、血管内皮、腎臓などから分泌される様々な生体分子により調節されている。本研究では、血圧調節に関わるこれら微量生体分子、特に内因性NO合成酵素阻害物質(N-メチルアルギニン、N, N-ジメチルアルギニンなど)を高感度に捉える分析法を開発することを目的とした。 これまでにも内因性NO合成酵素阻害物質の定量法は報告されている。最も繁用されている方法は、生体試料をイオン交換カラムで前処理した後、用手法によりオルトフタルアルデヒド(OPA)と反応させ、蛍光誘導体とし、イオンHPLCで分離し蛍光検出する方法である。しかし、この方法は前処理が煩雑で再現性が悪く、分離が不十分であり、またピーク幅が広くなるため感度が低下するなどの欠点があった。 我々は、生体試料の前処理を組み込んだ自動分析計の開発を試みた。すなわち、生体試料をHPLCに直接注入し、陽イオン交換カラムで内因性NO合成酵素阻害物質をin-line抽出した。その後、カラムスウィチングを行い、これを逆相カラムで分離しOPAで蛍光誘導体化し蛍光検出した。この方法は生体試料の前処理を行う必要がなく、簡便、高感度、かつ再現性の高い分析が可能であった。以上のように、本研究により、これまでに報告されている内因性NO合成酵素阻害物質測定法と比べ、優れた分析法を開発することができた。現在、蛍光誘導体化試薬NBD-Fを用いて、生体試料中の内因性NO合成酵素阻害物質とアルギニンの同時定量法を開発中である。
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Research Products
(1 results)