2001 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性キノンの電荷分離に対する水素結合の役割と機能に関する研究
Project/Area Number |
13672258
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宇野 文二 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (80160307)
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Keywords | 生理活性キノン / 電荷分離 / 水素結合 / 自己組織化膜電極 / アントラキノン修飾電極 / ナフトキノン修飾電極 |
Research Abstract |
生理活性キノンの電荷分離に対する水素結合の役割と機能を明らかにするため、アントラキノン(AQ)およびナフトキノン(NQ)を修飾した自己組織化膜電極(SAM)を作製し、溶液中に基質として水素供与性を有するp-置換フエノール類を用いて、水素結合が関与した電子移動モデル系を構築し、水素結合が電子移動に果たす役割について研究をした。 SAM-AQ電極は金電極をcysteamine水溶液、次いで合成したAQ-2-aldehydeのエタノール溶液に浸して作製した。また、SAM-NQ電極は3-methylmercaptopropionic aldehydeのエタノール溶液、次いで4-amino-1,2-NQのエタノール溶液に浸して作製した。作成した電極はAQ、NQアニオンラジカル生成に対応する可逆な一電子還元波を示したが、ゲストである置換フェノールが共存するとき、多電子移動を示す不可逆波(典型的なメディエーション電流)を観測した。この電流増幅は、p-位置換基の電子吸引性の強さ(フェノールの水素供与性)と良い相関を示し、電子移動速度は水素結合の強さに依存することが明らかとなった。一方、水素結合不活性のアニソール類やプロトン移動性の安息香酸類をゲストに用いた場合には、フェノール類をゲストに用いたときのような応答は観測されなかった。これらの結果は水素結合が電子移動に積極的に関与していることを示している。また、金メッシュ電極上に同様の方法でAQを固定化した修飾電極を用いて薄層セル中で電解スペクトル測定した結果、フェノール類が存在するときのみ、ゲスト分子であるp-nitrophenolのアニオンラジカルのスペクトルが得られ、水素結合が効率的に電子移動に関与していることが明らかとなった。 以上の結果を用いて生理活性キノンの電荷分離に対する水素結合の役割を考察する。
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Research Products
(1 results)