2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>制御蛋白質レギュカルチン遺伝子導入動物における生体機能調節の解析
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13672292
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究科, 教授 (70046308)
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Keywords | レギュカルチン / トランスジェニックラット / 遺伝子発現 / 生体調節 / カルシウム / 肝臓 / 骨 / 大脳 |
Research Abstract |
本研究は、レギュカルチン(regucalcin)遺伝子導入ラットを用いて、これまでに得られた本蛋白質の細胞機能調節に関する知見をもとに、さらに、生体調節系での新しい生理作用を解明することを目的にしている。本年度に得られた研究実績は下記の通りである。 1.レギュカルチン遺伝子導入ラットは、寿命が短く(1.5〜2年)なった。また、加齢とともに野性型ラットではみられなかった頭部脱毛が生じる異常が見出された。 2.レギュカルチン遺伝子導入ラットは成長期から骨減少(骨成長不全)がみられた。レギュカルチンは骨髄細胞においても発現されており、骨髄細胞から破骨細胞への分化形成が促進されているものと推察された。 3.レギュカルチン遺伝子導入ラットの肝臓の細胞核中のレギュカルチンレベルが増大されており、この細胞核のRNA合成活性が低下され、細胞核機能が制御されていることが見出された。 4.レギュカルチン遺伝子導入ラットの肝臓、腎臓、心臓及び大脳における細胞質にはレギュカルチンが高発現されており、それら臓器細胞のNO合成酵素の活性減弱していることが明らかとなった。さらに、大脳の細胞核におけるレギュカルチンが発現増大しており、心臓ミクロゾームにおける発現増大を認め、それら細胞内器官の機能調節に役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamaguchi M 他: "Role of endogenous regucalcin in bone metabolism : Bone loss is induced in regucalcin transgenic rats"International Journal of Molecular Medicine. 10. 377-383 (2002)
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[Publications] Ma Z J, Yamaguchi M: "Suppressive role of endogenous regucalcin in the regulation of nitric oxide synthase activity in heart muscle cytosol ofnormal and regucalcin transgenic rats"International Journal of Molecular Medicine. 10. 761-766 (2002)
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[Publications] Tsurusaki Y, Yamaguchi M: "Role of endogenous regucalcin in transgenic rats : Suppression of protein tyrosine phosphatase and ribonucleic acid synthesis activities in liver nucleus"International Journal of Molecular Medicine. 11(印刷中). (2003)
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[Publications] Yamaguchi M, Takahashi H, Tsurusaki Y: "Suppressive role of endogenous regucalcin in the enhancement of nitric oxide synthase in liver cytosol・・・"Journal of Cellular Biochemistry. (印刷中). (2003)