2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672310
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
古林 伸二郎 北陸大学, 薬学部, 助教授 (10186744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 正公 熊本大学, 医学部, 教授 (10117377)
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Keywords | Advanced Glycation Endproduct / カルボキシメチルリジン / 血管新生 / 網膜 / 脈絡膜 / 糖尿病性網膜症 / VEGF / THF-α |
Research Abstract |
我々は、ストレプトゾトシン(STZ)-糖尿病初期ラットの培養脈絡膜組織がメイラード反応後期生産物(Advanced Glycation Endproducts)のひとつであるN^ε-(carboxymethyl)lysine(CML)-修飾蛋白を蓄積し、新生血管を異常に増生する事を既に発表した。本研究では、STZ-糖尿病発症初期と進行期のラットを用いて、培養脈絡膜と網膜組織の相互作用をCML-修飾蛋白による血管新生活性を指標として比較検討した。 1.糖尿病初期における培養脈絡膜と網膜組織の相互作用 CMLのモノクローナル抗体は、発症初期の糖尿病病態やCML-ヒト血清アルブミンによる培養脈絡膜の血管新生作用を完全に抑制した。病態網膜組織の血管新生は脈絡膜より遅れて始まり、正常網膜組織のものと差がなく、抗CML抗体によって影響されなかった。しかし、病態脈絡膜と一緒に培養した病態網膜の血管新生は正常と比較して有意に減少し、抗CML抗体によって完全に回復された。 2.糖尿病進行期における培養脈絡膜と網膜組織の相互作用 糖尿病進行期の脈絡膜組織は、初期と比較して著しく血管新生を促進し、抗CML抗体や抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体、抗腫瘍壊死因子(TNF)-α抗体によって強力に抑制された。病態網膜組織の血管新生は、週齢を合わせた正常と比較して有意に促進し、抗TNF-α抗体によって抑制されたが、抗CML抗体や抗VEGF抗体によって影響されなかった。しかし、病態脈絡膜と共培養された病態網膜の血管新生は正常と比較して有意に促進され、抗CML抗体や抗VEGF抗体、抗TNF-α抗体によって抑制された。 3.以上から、脈絡膜組織に蓄積したCML修飾蛋白が、糖尿病初期において脈絡膜の血管新生を促進し網膜の血管新生を抑制するのに対し、進行期では脈絡膜の血管新生を介して網膜の血管新生を促進すると結論できた。
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[Publications] 古林伸二郎, 鈴木美穂, 紺谷仁, 木村郁子, 永井竜児, 堀内正公, 萩野信義: "ストレアトノトシン糖尿病進行期ラットの培養脈絡膜におけるカルボキシメチルリジンの血管新生活性が培養網膜の新生血管増生に及ぼす効果"眼薬理. (印刷中). (2002)
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[Publications] S.Kobayashi, M.Suzuki, I.Kimura, H.Kontani, R.Nagai, S.Horiuchi, N.Hagino: "Roles of N^ε-(carboxymethy)lysine for neovascularization of cultured retinal capillary in early and advanced stages of streptozotocin-diabetic rats"ELSEVIER SCIENCE B.V. International Congress Series. (印刷中). (2002)
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[Publications] S.Kobayashi, M.Suzuki, H.Kontani, R.Nagai, S.Horiuchi, N.Hagino: "Roles of N^ε-(carboxymethy)lysine for neovascularization of cultured choroidal and retinal explants in aged rats"Japanese J. Phannacol. 88(Sup.1). 68 (2002)