2001 Fiscal Year Annual Research Report
デアザフラビン融合ステロイド誘導体の合成と生理・薬理活性分子設計
Project/Area Number |
13672323
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
永松 朝文 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40155966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝 孝 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40112156)
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Keywords | デアザフラビン / ステロイド / ハイブリッド化合物 / 抗コクシジウム活性 / 構造活性相関 / デアザプテリジン / アンドロスタノロン / テストステロン |
Research Abstract |
薬物の分子設計における新しいアプローチとして、2つの異なる生理・薬理活性化合物を構造的に同時に内蔵する新しい化合物の創製を目的として、抗腫瘍作用や抗原虫作用などを有する5-デアザフラビンと種々の薬理作用を持つステロイド類との構造上のハイブリッド化合物の新合成が本研究の主たる目的である。今年度の研究計画は、5-デアザフラビン類とステロイド類とのハイブリッド化合物の合成法を開発し、随時これらの生理・薬理活性検索を行う予定であった。今年度に得られた研究成果の概略を以下に記述する。 1)ハイブリッド化合物のデアザフラビン骨格構成部分となる6-アミノ-5-ホルミルウラシル類は,6-アミノウラシル類をオルトギ酸エステルと反応させて合成出来た。一方,アンドロスタノロンやテストステロンは,それぞれ3位のモルホリノエナミン誘導体へと導いた。この6-アミノ-5-ホルミルウラシル類とステロイド類のモルホリノ誘導体とをジフェニルエーテル中で加熱してデアザフラビンーステロイドハイブリッド化合物を種々合成した。 2)上記の合成の改良法として,ステロイドの2-オキソ誘導体に水素化ナトリウムの存在下ギ酸エチルを反応させて2-ヒドロキシメチレン-3-オキソステロイド誘導体を合成し,これに6-アミノウラシル類をジフェニルエーテル中パラトルエンスルホン酸存在下加熱反応させると,上記の合成法より高収率でハイブリット化合物を得ることが出来た。 3)今年度は,合成した新規デアザフラビンーステロイドハイブリッド化合物の抗コクシジウム活性試験を行ったところ,これらの誘導体の中にin vitro試験に於いて既存の抗コクシジウム薬であるロベニジンより数倍から数十倍強い活性化合物を見出すことが出来た。 来年度は,各種ピリミジン類とステロイド類とのハイブリッド化合物を合成し,これらの各種薬理活性化合物の検索を行う予定である。
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