2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗かゆみ薬の探索を目的とする新規アッセイ法の開発と応用
Project/Area Number |
13672333
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
奥 尚枝 武庫川女子大学, 薬学部, 助手 (90281518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 京子 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (70151363)
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Keywords | 痒み / 抗かゆみ薬 / アッセイ法 / アトピー性皮膚炎 / 血小板凝集 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎などの激しい痒みの治療薬の開発を目的に,痒みを評価するアッセイ法の確立,痒みメカニズムの解明及び天然資源から抑制物質の探索と抑制メカニズムの解明を行った. (1)卵白リゾチーム(HEL)の感作により血中の抗HEL-IgE抗体を増加させたI型アレルギーモデルマウスと健常マウスでの起痒反応を比較し,感作あるいはIgE抗体の増加による痒みの憎悪化に関する知見を得た.このメカニズムに関与する因子の解明を目的に,本補助金で購入した全血血小板凝集測定装置を用いて,感作マウスでは血小板凝集の有意な亢進や血液凝固時間の短縮が起きていることを示した.また,血小板活性化因子(PAF)拮抗薬及び血液凝固系作用薬が痒みを抑制または軽減したことから,血液を介した病態での痒みの憎悪かつ慢性化メカニズムを考察した. (2)ヒトのアトピー性皮膚炎様皮膚炎を発症したNCマウスの激しく慢性的な掻動作を指標にした慢性痒みモデルと健常マウスに起痒物質を投与して誘導する一過性の痒みモデルに対する各種阻害剤の効果を比較し,両モデルでの痒み関連物質を検討した結果,慢性痒みモデルでは一過性モデルとは異なり,中枢抑制薬が非常に有効に止痒活性を示したことから,末梢だけでなく中枢性の痒み抑制物質を探索する為のアッセイ系構築が必要だと考え,現在検討中である.さらに,痒みのレセプターである5HT_2拮抗薬が痒みにも関与する知見を得たことから,新しい止痒薬探索の可能性を示した. (3)確立したアッセイ法を用いて,数種の天然資源から活性物質の探索を行い,活性化合物の単離および構造解析とそれらの作用メカニズムの検討を行った.
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[Publications] Ishiguro, K., Oku, H., Suitani, A., Yamamoto, Y.: "Effect of conjugated linoleic acid on anaphylaxis and allergic pruritus"Biol. Pharm. Bull.. 25. 1655-1657 (2002)
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[Publications] Kataoka, H., Horiyama, S., Yamaki, M., Oku, H., Ishiguro K., Katagi, T., Tatayama, M., Semma, M., Ito, Y.: "Anti-inflammatory and anti-allergic activities of hydroxylamine and related compounds"Biol. Pharm. Bull.. 25. 1436-1441 (2002)
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[Publications] Oku, H., Ishiguro, K.: "Cyclooxygenase-2 inhibitory 1,4-naphthoquinones from Impatiens balsamina L"Biol. Pharm. Bull.. 25. 658-660 (2002)
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[Publications] Oku, H., Ishiguro, K.: "Preventive effects of Impatiens balsamina on the Hen Egg-White Lysozyme (HEL)-induced decrease in blood flow"Biol. Pharm. Bull.. 25. 505-508 (2002)
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[Publications] Ishiguro, K., Nagata, S., Oku, H., Yamaki, M.: "Bisxanthones from Hypericum japonicum inhitors of PAF-induced hypotension"Planta Medica. 68. 258-261 (2002)