2002 Fiscal Year Annual Research Report
大麻(マリファナ)の内分泌撹乱作用の解明と機構解析
Project/Area Number |
13672353
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
渡辺 和人 北陸大学, 薬学部, 教授 (30113038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 郁男 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (50069746)
舟橋 達也 北陸大学, 薬学部, 助手 (60343646)
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Keywords | 大麻吸煙抽出物 / THCA種 / カンナビノイド / E-スクリーン法 / 内分泌撹乱作用 / エストロゲン / 細胞毒性 / レポータージーンアッセイ法 |
Research Abstract |
これまで、大麻抽出物及びtetrahydrocannabinol(THC)には内分泌系への影響が報告されていたが明確でなかった。本研究では、これに関連して大麻抽出物、大麻吸煙抽出物及び大麻成分(カンナビノイド)の内分泌撹乱作用について検討を行った。平成13年度の研究から、大麻粗抽出物及び大麻吸煙抽出物中に内分泌撹乱作用を示す物質の存在が明らかとなった。本年度は、内分泌撹乱作用の本体を明らかにすべく、ヒト乳ガン細胞(MCF-7)を用いたエストロゲン増殖検定法(E-スクリーン法)及びルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとしたレポータージーンアッセイ法を用いてさらなる検討を行った。THCA種の乾燥大麻の吸煙抽出物(メタノール及びヘキサン)中にはいずれも内分泌撹乱作用を有する物質の存在が確認された。吸煙抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離したところ、ヘキサン:エーテル(2:1)及びエーテル画分はMCF-7を有意に増殖させることが示された。従って、大麻吸煙抽出物中の内分泌撹乱作用の本体は、カンナビノイドとは異なるものの脂溶性化合物であることが示唆された。また、上記検討過程において、大麻抽出物及びカンナビノイドはより高濃度において細胞増殖抑制作用があることが判明した。大麻吸煙抽出物、THC、カンナビジオール、カンナビノール等はいずれも程度の差こそあれ細胞毒性を示し、100uMにおいてMCF-7及びチャイニーズハムスター肺由来のV79細胞の増殖を抑制した。これらの結果から、大麻吸煙抽出物は内分泌撹乱作用を有することが明確となり、その本体は脂溶性化合物であることが示唆された。また、カンナビノイド自身は細胞毒性を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Yamamoto, E.Motoya, T.Matsunaga, K.Arizono, K.Watanabe: "Marijuana constituents may act as endocrine disrupting chemicals"Proceeding of TIAFT 2001. 304-311 (2001)
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[Publications] K.Watanabe, T.Matsunaga, T.Kimura, T.Funahashi, Y.Funae, T.Ohshima, I.Yamamoto: "Major cytochrome P450 responsible for microsomal aldehyde oxygenation of 11-oxo-delta-8-tetrahydrocannabinol and 9-anthraldehyde in human liver"Drug Metab.Pharmacokin.. 17(6). 516-521 (2002)