2001 Fiscal Year Annual Research Report
カルボシランデンドリマーを基本骨格としたベロ毒素中和剤の開発
Project/Area Number |
13672355
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
西川 喜代孝 国立国際医療センター, 臨床薬理研部, 室長 (40218128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 泰博 国立国際医療センター, 臨床薬理研部, 部長 (10164485)
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Keywords | カルボシランデンドリマー / ベロ毒素 / 阻害剤 / グロボ3糖 |
Research Abstract |
末端機能ユニット(Gb3の糖鎖部)数の異なるカルボシランデンドリマーの合成 カルボシランデンドリマーはケイ素原子を核に持ち、スペーサーを介して末端機能ユニットを結合した基本構造を持つ(第0世代)。末端機能ユニットの数を増やしたい場合、核となるケイ素原子からスペーサーを介して第2のケイ素原子を分岐点として結合させ、ここからさらにスペーサーを介して末端機能ユニットを結合させる(第1世代)。すなわち1つのスペーサーについて分岐点となるケイ素原子を1つ増やせば(世代数を1つあげれば)、結合できる末端機能ユニットの総数は最大で3倍に増やすことが可能である。これまでにベロ毒素受容体であるGb3の糖鎖部(グロボ3糖)を3、6、12個持った第0、及び第1世代のカルボシランデンドリマーを合成し、そのベロ毒素中和剤としての活性を比較検討してきている。今回各々について世代数を1つあげ、末端グロボ3糖を9,18,36個有する第1、及び第2世代のカルボシランデンドリマーを合成した。ベロ毒素の細胞障害活性の中和活性、ベロ毒素に対する結合活性、の両活性について比較したところ、第0世代(グロボ3糖数が3個)以外の化合物は全て同様の活性を有することが明らかとなった。このことはベロ毒素に対する強い中和活性には、1分子中のグロボ3糖数が6個で十分であること、むしろ個々のグロボ3糖間の空間的距離がクラスター効果の発現に重要であることを示している。今後我々の開発したHUSモデル、及び生体レベルにおいて各種カルボシランデンドリマーのベロ毒素中和活性を検討し、生体内で有効に作用する最適構造を決定する予定である。
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