2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672367
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鈴木 荘太郎 東邦大学, 医学部, 教授 (30102841)
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Keywords | 消化器内視鏡検査 / クリニカルパス / 合併症 / 安全性 / 前処置 / 静脈薬鎮静法 |
Research Abstract |
今年度は研究計画に添って上部消化管内視鏡検査時の前投薬の選択と適応に関する調査結果に関する統計的分析結果を基に、消化器内視鏡におけるクリティカルパス(最近、医療においてはクリニカルパスと呼称される)の作成における基礎的検討として、関連の学会や研究会において講演および討論を重ねた。平成14年6月23日、第52回日本消化器内視鏡学会北陸地方会の特別講演「消化器内視鏡とクリニカルパス」、および同12月7日、第75回日本消化器内視鏡学会関東地方会・第20回関東消化器内視鏡技師研究会のパネルディスカッション「日常診療におけるリスクマネージメント」において、本研究の成果を併せて発表し、討議を重ねた。調査結果の骨子は、胃カメラ検査の時代より恒例化していた前投薬の使用は必ずしも、受診者の苦痛を軽減していないことが明らかとなった。前投薬の使用は、介助者である内視鏡技師(看護師・臨床検査技師など)より、無投薬検査時より鎮静剤を使用した受診者では検査中の反射や体動などが有意に増加し、合併症の発生が増加する危倶が示唆された。これらの検討結果を"ENDOSCOPIC FORUM"VOL.18に投稿した。 本年度、厚生労働省が提示した「21世紀の医療」においては「良質で医療水準を保った安全な医療の提供」が核心とされた。従って、消化器内視鏡検査のクリニカルパスを作成する場合には、安全管理の視点から、検査前の説明(インフォームド・コンセント)、検査中、検査後の対応において、前投薬の使用ならびに効果、適応、副作用などの説明は重要な項目であると言える。本年度の関連学会、研究会における質疑において、前投薬に関するクリニカルパスの重要性が再認識され、具体的なクリニカルパス作成の基礎事項であると考えられた。現在、この成果を日本消化器内視鏡学会雑誌に投稿する準備中である。
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Research Products
(1 results)