2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672389
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川崎 博己 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60125151)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 勇二 岡山大学, 薬学部, 教授 (90161786)
|
Keywords | 腸間膜動脈 / 交感神経 / CGRP作動性神経 / ニコチン性コリン受容体 / バニロイド受容体 / ラット |
Research Abstract |
平成13年度は、正常血圧ラット(Wistar系)を用い、腸間膜動脈灌流標本の灌流圧を測定した。デオキシコール酸Naを30秒間灌流して、標本内の内皮細胞を除去し、次に、血管収縮薬メトキサミンで血管収縮させ灌流圧を一定のレベルまで上昇させる。灌流圧が安定後、経壁電気刺激装置にて動脈周囲神経の経壁電気刺激を行い、血管周囲神経の交感神経およびCGRP神経を刺激して血管収縮および拡張反応を測定記録した。コリン作動薬ニコチンまたは間接的交感神経興奮薬チラミンを1分間灌流した結果、ニコチンによって血管反応が観察されたがチラミンでは収縮反応のみが観察された。ニコチンの弛緩反応を交感神経遮断薬(グアネチヂン、ブレチリウム、6-ヒドキシドパミン)を用いて薬理学的に解析した結果、いずれの遮断薬によっての抑制されたので交感神経性依存性であることが明らかとなった。冷所保存によって除神経した標本ではニコチンの反応は消失したので、神経性であることが確認された。さらに、ニコチンによる弛緩反応はCGRP受容体遮断薬やカプサイシンによって抑制されたので、CGRP神経性であることが確認された。次に、交感神経から遊離される伝達物質の関与を調べるために、ニコチンの反応に対して、ドパミン受容体、ドーパ受容体、バニロイド受容体、アドレナリンβ3受容体の各遮断薬の影響を薬理学的に検討し、弛緩反応に関与する伝達物質の推定を行った結果、バニロイド受容体遮断薬のカプサゼピンのみが抑制した。したがって、バニロイド受容体を刺激する未知の物質が交感神経から遊離されることが明らかとなった。また、ニコチン受容体作動薬であるアセチルコチンもまたニコチンと同じような機序で血管弛緩反応を起こすことが確認された。以上の結果、ニコチン性コリン受容体の刺激は交感神経から未知の物質を遊離させ、CGRP神経上のバニロイド受容体を刺激して、CGRPを遊離させ、血管弛緩を起こすことが明らかとなった。平成14年度において、未知の伝達物質の同定を明らかにする計画である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Shiraki H., Kawasaki H., Tezuka S., Nakatuma A., Nawa H., Araki H., Gomita Y., Kurosaki Y.: "Adrenergic nerves mediate acetylcholine-induced endothelium-independent vasodilation in the rat mesenteric resistance artery"European Journal of Pharmacology. 419. 231-242 (2001)