2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗血小板剤の血小板凝集抑制作用とその評価マーカーとしてのP-セレクチンの有用性
Project/Area Number |
13672395
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山田 勝士 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 教授 (00037491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 隆造 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20325781)
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Keywords | 抗血小板剤 / 全血血小板凝集 / 光透過法 / ADP / P-セレクチン |
Research Abstract |
研究代表者は平成13年度の研究実施計画に基づき、各種抗血小板剤の血小板凝集抑制効果を全血および多血小板血漿を用い、in vitroで検討した。 全血血小板凝集はScreen filtration pressure法を用いた全血血小板凝集能測定装置により測定し、計算上50%凝集を起こさせるアゴニストの濃度(PATI)で凝集の強さを評価した。多血小板血漿を用いる従来の光透過法ではPATIおよび最大凝集率で凝集の強さを評価した。さらに、光透過法で凝集能を測定した後の検体を遠心分離し、得られた上清中のsP-セレクチンおよびトロンボキサンB_2濃度をELISA法により、モデル550マイクロプレートリーダー(日本バイオラッド)を用いて測定した。 未処理全血のPATIは、アゴニストに1、2、4、8μMのADPを用いたとき、採血後5分、15分、30分、60分、120分と時間の経過とともに低下し、60分以降はほぼプラトーに推移した。したがって、各薬剤の全血血小板凝集に及ぼす影響は、採血後60分経過した血液を用いて検討することとした。 アスピリン、シロスタゾールおよびベラプロストナトリウムは全血血小板凝集能のPATIを濃度依存的に上昇させた。アスピリンは、多血小板血漿を用いた光透過法による血小板凝集能に比して、全血血小板凝集能を強く抑制したが、シロスタゾールは光透過法による血小板凝集能を強く抑制した。 次に、コラーゲンおよびアラキドン酸凝集に及ぼす各薬剤の作用を多血小板血漿を用いて検討した。アスピリンは、アラキドン酸凝集を強く抑制した。シロスタゾールはADP、コラーゲンおよびアラキドン酸凝集に伴う放出反応を濃度依存的に抑制した。 以上の成績を踏まえ、今後は全血および多血小板血漿を用いた血小板凝集能の測定を臨床における血小板機能の評価に応用したいと考える。
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