2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい治療薬開発の基盤としての有痛性糖尿病性神経障害の発症機序解明
Project/Area Number |
13672403
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
亀井 淳三 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (40161236)
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Keywords | Diabetes / Painful neuropathy / TTX-R sodium Channel / fenvalerate / Protein kinase C |
Research Abstract |
Na^+chanelのサブタイプの一つであるtetrodotoxin(TTX)抵抗性(TTX-R)Na^+channelは、侵害刺激反応の伝達に重要な役割を果たしていることが知られている。また、II型pyrethoid系殺虫剤であるfenvalerateはTTX-R Na^+chamelおよびTTX感受性(TTX-S)Na^+chamelの両者に親和性を有するものの、TTX-R Na^+channelにおいてより強いNa^+の流入を引き起こすことが知られている。以上のことから、本研究では、fenvalcrateを髄腔内投与した際に誘発される侵害刺激反応について検討した。Fenvalerateを髄腔内へ投与することにより侵害刺激反応類似の行動が誘発された。この反応はmorphineにより用量依存的に抑倒されたことから侵害刺激反応に基づく反応であることが確認された。またPKC阻害薬であるcalphostin Cによりfenvalerate誘発侵害刺激反応時間の有意な短縮が認められた。一方、PKC活性化薬であるPDBuはfenvalerate誘発侵害刺激反応時間を有意に延長させた。PKCの活性化により、TTX-R Na^+channelを介したNa^+の流入は増加するもののTTX-S Na^+channelを介したNa^+の流入は減少するととが報告されている。今回、PKCの活性化によりfenvalerate誘発侵害刺激反応が増強されたことから、fenvalerate誘発侵害刺激反応には、TTX-R Na^+channelの活性化が関与している可能性が示唆された。また、糖尿病マウスにおいては、1/10量のfenvalerateにより対照群マウスと同程度の侵害刺激反応が誘発されたことから、糖尿病マウスに認められる有痛性神経障害の発症機序の一部に、TTX-R Na^+channelの活性化が関与していることが示唆された。
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