2003 Fiscal Year Annual Research Report
縄文系および弥生系日本人における高血圧の遺伝的素因の特徴と標準化への応用
Project/Area Number |
13672412
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
庄司 優 弘前大学, 医学部, 助教授 (10226300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保嶋 実 弘前大学, 医学部, 教授 (90142934)
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Keywords | Y染色体遺伝子多型 / 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 民族差 / Alu反復 |
Research Abstract |
ヒト系統樹遺伝子マーカーとして汎用されているAlu反復多型(YAP)はその存在が縄文系由来を欠失が弥生系由来を示唆するという。本多型に関し引き続き以下の検討を行った。 I.糖尿病および終末期腎不全におけるYAPの分布を男性患者で検討した。対象は腎不全を伴わない糖尿病63例、終末期腎不全152例(含糖尿病性腎障害例44例)である。特異的プライマーを用いたPCR増幅産物の電気泳動によりAlu反復の有無を決定し、健常人278例の分布とカイ二乗検定により比較した。健常人278例では95例がYAP(+)で、183例がYAP(-)であったが、糖尿病全体ではYAP(+)30例、YAP(-)77例で両群に差が認められなかった。腎不全を伴わない糖尿病ではYAP(+)18例、YAP(-)45例で、糖尿病性終末期腎不全ではYAP(+)12例、YAP(-)32例でそれぞれ相互にあるいは健常人群と差を認めなかった。糖尿病性腎障害を伴わない終末期腎不全ではYAP(+)42例、YAP(-)66例であったが同様に有意の分布の差には至らなかった。以上の結果から、縄文系由来か弥生系由来かによる糖尿病、糖尿病性腎障害を含む終末期腎不全に対する疾患感受性の差はない可能性が示唆された。 II.Bangladeshから12検体の供与が得られ、YAP分布の民族差を検討するために試験的にYAPの分布を解析した。女性6検体はYAPは検出できず、男性6検体はいずれも欠失型であった。中国大陸では欠失型が主と報告されているが、Bangladesh男性も大陸型である可能性が示唆された。今後、検体数を増加して他多型分布との関連を含めさらに検討を進めていきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ogihara T, et al.: "Hypertension in a patient with Gitelman's syndrome"J Hum Hypertens. (印刷中). (2004)
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[Publications] 庄司 優, 保嶋 実: "ナトリウム利尿ホルモン"日本臨牀増刊号:高血圧と高血圧性臓器障害. (印刷中). (2004)
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[Publications] 庄司 優, 保嶋 実: "フローサイトメトリーによるアンチセンスオリゴヌクレオチド取込みの検出"臨床病理. 52. 172-175 (2004)
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[Publications] 庄司 優, 保嶋 実: "弘前大学の卒前臨床検査医学教育"臨床病理. 51. 1118-1123 (2003)
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[Publications] Shoji M: "Microarray analysis of gene diversity in hypertension"Proceedings of the 22nd World Congress of Pathology & Lab. Medicine (Medimond). (2004)
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[Publications] Shoji M, Yasujima M, et al.: "Lack of association of 4G/5G polymorphism in plasminogen activator inhibitor-1 gene with stroke"Advances in Brain Research - Cardiovascular Disorders and Neurodegeneration (Elsevier Sciences). (2003)