2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672418
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一山 智 京都大学, 医学研究科, 教授 (30223118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 由嗣 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303627)
千田 一嘉 京都大学, 医学研究科, 助手 (90324649)
工藤 豊一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (80324622)
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80283430)
|
Keywords | 病院感染 / 院内感染対策チーム / 病院感染サーベイランス / 感染経路予防策 / カテーテル関連血流感染症 / 手術部位感染症 / 結核予防策 / 病院環境整備 |
Research Abstract |
医療の高度化と人口の高齢化は易感染性宿主を増大し、こうした人々における病院感染の脅威が重要な問題となっている。しかし、わが国における病院感染対策は未だ十分なものとはいえない。平成12年5月に国立大学医学部附属病院感染対策協議会が設立され、わが国独自の病院感染対策ガイドラインを策定することと病院感染サーベイランスが計画された。 平成13年11月の第3回国立大学医学部附属病院感染対策協議会にて、参加者全員の討論と合意を得て、"病院感染対策ガイドライン"が策定された。本ガイドラインはわが国の医療の標準化を目指している。序論では、標準予防策(Standard Precaution)の重要性が提唱され、さらに空気感染・飛沫感染・接触感染の感染経路別予防策の徹底することが基本となっている。各論として、病原体別には、結核、ウイルス、,レジオネラ、アスペルギルスなどの対策が、病態別には、手術部位感染症、カテーテル関連血流感染症、人工呼吸器関連肺炎などの防止策がまとめられた。また、わが国の病院環境は欧米と大きく異なるため、わが国独自の病院環境整備のための指針も確立された。さらに、病院感染対策組織の構築法や針刺し事故防止策についてもまとめられた。 感染制御部(ICT)の活動の歴史のある京都大学医学部附属病院と名古屋大学医学部附属病院と浜松医科大学附属病院において、この病院感染対策ガイドラインをもとに、それぞれの病院の実状に応じた独自の病院感染対策マニュアルが編集された。今後、国立大学医学部附属病院感染対策協議会による病院サーベイランスシステムの先行研究として、血流感染症や移植後感染症について、ターゲットをしぼった病院感染サーベイランスを行うことによって、より精度の高い情報が得られることが期待される。今回策定された病院感染対策ガイドラインの有効性を検討し、より効果的な病院感染対策法を提言してゆく。
|
Research Products
(1 results)