2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672432
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井原 征治 東海大学, 医学部, 助教授 (50096202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 正隆 東海大学, 医学部, 講師 (80221373)
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Keywords | HLA / B51 / 組み換えヒト抗体 / ハイブリドーマ / Fab |
Research Abstract |
HLA class Iのタイピングは臓器移植、親子鑑定、疾患分析の際に行われるが、タイピングの多くの部分が経産婦のヒト血清が使用されている。この様な条件下で、特異性・親和性に優れた血清や、希少HLAタイプを認識する血清の確保は難しく、慢性的に不足している状態が続いている。この問題に対しては、ハイブリドーマ法で抗体産生細胞を樹立するか、あるいは抗体遺伝子をクローニングし、組み換えヒト抗体を作製する方法が考えられる。 本研究では、上記の2種の方法を連結し、まず、ハイブリドーマ法でHLA class I B51ヒト抗体産生細胞を樹立し、次に抗体遺伝子のFab領域をクローニングをして抗体遺伝子を保存し、かつ、組み換えFab抗体を大腸菌で発現させることにした。この様にして得た組み換えヒト抗体の特異性について報告する。 手順は(1)B51抗体陽性者のB細胞にEBウイルスを感染して不死化し、培養上清の抗B51抗体をLCT法でスクリーニングを行い、抗体産生細胞を集め、ミエローマ細胞(JSM-3)と融合してヘテロハイブリドーマ細胞を作製する、(2)抗体陽性細胞、JRH-04細胞、からRNAを抽出し、抗体用PCRプライマーでH鎖Fd領域、L鎖の全領域を増幅し、増幅したDNA鎖を抗体発現ベクターpRPLS/Fab-His2にクローニングする、(3)大腸菌で抗体発現をしFACScanにより、抗体陽性クローンを分離する、などの段階を経る。陽性FabクローンのL鎖、H鎖のDNA塩基配列、Western blot法による分析で、抗体のサブクラスはヒトIgM/λであった。組換えFab抗体を精製し、表面抗原の異なる白血球を使用してAHG-LCT法で分析した結果、FabクローンはB51抗原陽性の白血球に特異的に反応する事が判明した。ハイブリドーマ細胞では抗体産生能の消失が観察されるが、本方法では抗体遺伝子の保全ができたことになる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takekoshi M, Maeda F, Nagatsuka Y, Aotsuka S, Ono Y, Ihara S: "Cloning and expression of human anti-tumor necrosis factor-α monoclonal antibodies from Epstein-Barr virus transformed oligoclonal libraries"J.Biochemistry. 130. 299-303 (2001)