2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672452
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
楊箸 隆哉 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90191163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 貞治 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70252111)
坂口 けさみ 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20215619)
藤原 孝之 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40181416)
畔上 真子 信州大学, 医療技術短期大学部, 助手 (40324272)
大平 雅美 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (50262738)
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Keywords | 癒し / マッサージ / タッチ / 看護技術 / ヒーリング / 代替療法 |
Research Abstract |
本年度は、実験的研究に先立ち、「癒し」に関連する文献の調査を行った。表題に「癒し」という語のある図書の数は多数認められたが、学術雑誌に掲載された論文は、極めて少なかった。文献を内容別に整理すると、臨床研究では、がん患者等に代替療法を試みた事例研究が多かった。基礎的研究は、「癒し」の定義や構造化に関する哲学的研究と、「癒し」の技法や方法論に関する研究に分けられ、後者では、主として身体的側面、心理的・精神的側面(spiritualなものを含む)、相互関係(ペットなどの動物との相互関係を含む)からの研究が認められた。主なものは、1.マッサージに関する技法2.タッチに関する技法3.環境学的アプローチ4.相互関係の4つであるが、そのうち、3.環境学的アプローチに関するものは、音楽療法・絵画療法・アロマセラピーなど、人間の五感を通して「癒し」を行うものから、住環境や温熱環境など、より大がかりなテーマを扱うものまであった。また、4.相互関係には、アニマルセラピーや、傾聴、グループカウンセリングなど人間-動物関係、対人関係を利用したものがあった。 われわれは、これらのうち、比較的生理学的研究・実験的研究にのりやすいと思われた「マッサージに関する技法」を最初に取り上げ、各種マッサージの効果を実証するために、実験的研究の方法論を検討した。最初に、マッサージの強さを定量する方法として、圧感フィルムを使用する方法、金属性のひずみ圧ゲージ、特殊インクを利用したひずみ圧測定シート、密封空気を利用したパックによる接触圧測定器など、いくつかの定量方法を試みたが、いずれも、測定感度、再現性、耐久性、人への侵襲などの点において問題があり、実用には至らなかった。唯一、圧電ゴムを利用したひずみ圧測定方法が、術者の手指、受け手の身体に良くなじみ、かつ再現性の良く信頼性の高い定量方法であることがわかった。
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