2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672459
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
多田 敏子 徳島大学, 医学部, 教授 (30127857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (10325293)
橋本 文子 徳島大学, 医学部, 講師 (80325290)
寺嶋 吉保 徳島大学, 医学部, 講師 (20243686)
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Keywords | 大腸がん患者 / EORTC / QOL / 縦断的観察 / 在宅看護 / 機能別尺度 / QOL評価 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、長期間にわたる療養生活が必要な慢性疾患である「がん」患者のQOLの変化を、縦断的に評価し、患者の支援における課題を明らかにするものである。研究期間は平成13年度から15年度の3年間に亘って継続的に評価を行った。15年度は最終年度であった。 【対象】大腸のがんによる手術を受け在宅療養中の患者を対象とした。また、療養の場による相違を見るために、ホスピスにおいて療養中の癌患者も対象とした。 【方法】国際的にも信頼性が高く、回答による負担が少ないとされているQOL評価尺度EORTC(European Organization for Research and Treatment of Cancer)を用いた。今年の調査は、手術後2年〜3年にわたる継続的なものである。また、調査対象者にはこれまでの調査結果をグラフ化し、送付した。同意を得られたものについては面接も行った。さらに、共同研究者から外来受診時の情報を得て、医学的な面からの状態把握も行った。倫理的な配慮としては、対象者の記名による調査であったため、共同研究者のみでデータ分析を行い、継続的な調査であることから、回答が得られたことによって承諾の意志を確認した。 【結果】総括的なQOLは術後2年以上3年未満経過した者が最も高く、社会的活動性および精神的活動性は、3年間までの経過の中では術後の経過が長いほど高くなっていた。しかし、認識する活動性や身体活動性は、顕著な変化が見られなかった。身体症状については、手術後は痛みや疲労感が高かったが、その他の症状は手術後顕著な変化は見られず、手術前よりやや改善する程度であった。療養の場の比較で、ホスピスで療養中の患者は、全てが大腸がん患者ではなかったが、総括的QOLは在宅療養者に比べて低いこと表す結果を得た。さらに精神的活動性においても低いことを表す結果を得た。患者が、QOLを回復するためには、日常的な役割に復帰することが、有用であり、この点については家族や周囲の者の理解が重要であると思われた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 多田敏子, 橋本文子, 松下恭子, 谷岡哲也, 永峰勲, 寺嶋吉保, 藤岡浩子, 秋山奈保子: "がん患者の療養の場によるQOLの比較"四国公衆衛生学会雑誌. 49・1. 145-147 (2004)
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[Publications] Toshiko Tada, Fumiko Hashimoto, Yasuko Matsushita, Yoshiyasu Terashima, Tetsuya Tanioka, Isao Nagamine, Hiroko Fujioka, Nahoko Akiyama: "Investigation of QOL of hospice patients by using EORTC-QOL-C30 questionnaire"The Journal of Medical Investigation. 51(1・2). 125-131 (2004)
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[Publications] 多田敏子, 橋本文子, 松下恭子: "在宅酸素療法中の療養者のQOLに関する研究"日本看護福祉学会誌. 8(2). 39-47 (2003)
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[Publications] 多田敏子, 橋本文子, 松下恭子, 谷岡哲也, 永峰勲, 寺嶋吉保, 藤岡浩子, 秋山奈保子: "ホスピスで療養中患者のEORTC-QOL調査票によるQOLの検討"Quality of Life Journal. 4(1). 109-116 (2003)
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[Publications] 多田敏子, 橋本文子: "がん患者の療養の場によるQOLの比較"第62回日本公衆衛生学会総会抄録集. 50(10)特別附録. 3 (2003)
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[Publications] 多田敏子, 橋本文子, 松下恭子, 谷岡哲也, 永峰勲, 寺嶋吉保: "高齢がん患者のQOLの縦断的調査"日本老年看護学会第8回学術集会. 122 (2003)