2001 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん患者の回復過程におけるセルフヘルプグループの役割と看護援助に関する研究
Project/Area Number |
13672470
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
八木 彌生 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (90280007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 直子 京都府立医科大学, 医療技術短期大学部・看護学科, 助教授 (80153881)
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Keywords | 乳がん / 乳がん患者 / セルフヘルプグループ / 回復過程 / 看護援助 |
Research Abstract |
13年度は、乳がん患者の会に毎月出席し、そこで展開する患者同士の心の交流におけるダイナミクスを観察した。研究代表者は、8名の乳がん患者に回復過程での苦悩や、医療従事者、家族や友人、患者会などからの援助・有効性について聞き取りを実施した。テープレコーダーに録音し、語られた言葉についての分析・解釈を行っている。一方、研究代表者・分担者および研究協力者2名の協同で、医師、看護師、通院中の患者、患者会会員に対して質問紙を作成し、調査を行った。『近畿病院名簿』から診療科に外科を持つ73施設を無作為に抽出し、病院の了解を得て調査票を通院中の患者511名、医師146名、看護師438名に配布し、郵送法で回収した。回収数は通院中の患者72名(回収率14.1%)、医師38名(26.1%)、看護師237名(54.1%)であった。医師が実施している事項は治療と情報提供・相談は100%であるが、精神的サポート37.8%,同病患者の紹介が10.8%であった。医師が患者の希望としている事項は精神的サポート,同病患者の紹介で、これは実施している率より高かった。また、患者からの医師への期待は治療や情報提供・相談が8割であり、精神的サポートが36.1%、啓蒙・社会活動が50%であった。看護師への期待については、日常生活の援助8.3%、検査・治療の介助47.2%、情報提供・相談65.3%、精神的サポート41.7%、啓蒙・社会活動43%であった。看護師の実施事項は、日常生活の援助77.6%、検査・治療の介助78.1%、情報提供・相談97.9%、精神的サポート70.7%、啓蒙・社会活動19%であった。医師、看護師、患者間の比較は検討中である。 乳がん患者会の会員を対象とした調査は、各患者会の支部長の連絡網などを経て、了解の得られた支部や団体17ヶ所を介して調査票の配布を依頼し、郵送法で回収した。2月末現在で約300通の回答が得られ現在集計中である。 今後は患者会の会員のデータを分析する。また、米国の乳がん患者を対象としたインタビューおよび質問紙調査を実施するために準備を進めていく。
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