2001 Fiscal Year Annual Research Report
カテーテルに関連する血流感染を低減するための感染管理対策
Project/Area Number |
13672471
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
土井 まつ子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (00155615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80283430)
斉藤 麻子 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (20326127)
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Keywords | 静脈カテーテル / 血流感染 / 菌血症 / IVH / 輸液 / 輸液調整 / TPN |
Research Abstract |
本年度は、以下の2点について研究を進めた。 1.薬剤部による無菌調製と病棟での調製における無菌性の検討:平成13年7月から8月までの期間に、外科系の2病棟において中心静脈輸液を行っていた患者12名について、輸液25バッグ内の残液と、輸液ライン22本、39ヶ所のライン内残液それぞれ25検体、39検体から菌を分離し同定を行った。その結果、輸液バッグ18検体のうち1検体からS.lugdunensisが分離され、輸液ライン34検体のうち3検体からBacillus cereus、S.Lugdunensis、S.auricularisなどが分離された。細菌が分離された輸液バッグは病棟において調製されたものであったが、輸液ラインでは、調製場所にかかわらず菌が分離され、輸液調製時や輸液管理中の汚染の可能性を示唆するものと考えられた。 2.高カロリー輸液などの輸液調製者の衛生行動に関する実態調査:前述の外科系の2病棟において、中心静脈輸液を調製して患者に接続するまでの間の21回の輸液調製者の行動を観察した。同時に拭き取り法によって調製前の手洗い後の手指から菌を採取した。その結果、輸液調整前には全員が手洗いを実施していたが、調整後から患者へ接続するまでの実施者の手洗い行動率は10%であった。また、効果的な薬液使用時間を満たした手洗い実施率は、66.7%であった。手洗い時間が短い場合には、手指から分離された細菌数が多い傾向が認められた。一方、観察中に認められた汚染の可能性のある実施者の行動は、輸液調製中に比べ、調整後から接続までの間の行為に多くみられた。これらの結果は、輸液調整時に限らず、日常の衛生行動の傾向を示すものであり、感染対策のための院内教育に有効な資料となると考えられた。
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Research Products
(1 results)