2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者と家族に対する在宅看護の効果判定に活用する多次元的な尺度の開発研究
Project/Area Number |
13672485
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (00191883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 弘美 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (70075448)
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Keywords | アウトカム指標 / 在宅ケア / 神経難病 / 脳血管障害 / 家族介護者 / QOL |
Research Abstract |
平成13年度の研究においては、T大学病院神経内科を過去5年間に生存退院した、脳血管障害や難病を中心とした患者とその家族に対する追跡調査から得られた、計501名のデータを解析した。研究倫理面への配慮として研究開始前に、調査票に研究の目的やプライバシー保護に関する事柄を記述したのを始め、本学倫理委員会規定に基づく審査を受けた。これまでの筆者らの研究知見から、内容分析の方法を用いて、在宅看護の効果判定に活用することを目指したアウトカム指標の項目を検討し、最終的に30項目から構成された暫定的アウトカム測定尺度を構成した。その上で、心理統計学的解析、及び共分散構造分析を用いて、尺度の内部信頼性及び構成概念妥当性を検証した。その結果、アウトカム指標は計25項目5次元の尺度となった。すなわち、(1)疾病障害対処困難・不安指標、(2)家族介護負担・Strain関連指標、(3)運動機能・IADL機能不全指標、(4)身体症状発現指標、及び、(5)地域医療・ソーシャルネットワーク阻害指標であり、内部信頼性は、0.784-0.916であった。次に、これらの5指標を潜在変数とする2次因子モデルの成立の是非を共分散構造分析によって検証し、高い適合度で2次因子に総合的なアウトカム指標を当てることができた(適合度指標:GFI=.945,AGFI=.913,RMR=.094)。各指標は性別との関連が低く、日常生活動作レベルと中等度の相関を示した。以上のように、統計学的には、ある程度支持される結果を得た。 本アウトカム指標はまだ開発初期段階であるため、平成14年度においては、上記と同疾患患者と家族を対象にして、今回開発された尺度の改訂版、および基準関連妥当性を検証するために、健康関連QOL(包括的尺度と疾患特異的尺度の2種類)との関連性と、資源利用との関連を検討する。また、昨年度と同対象者における2時点間の本尺度得点の変化とその関連要因を検索する。
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Research Products
(1 results)