2001 Fiscal Year Annual Research Report
双生児家族における家族機能の特徴と母親の育児ストレスとの関連
Project/Area Number |
13672522
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
服部 律子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (70273505)
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Keywords | 双生児 / 育児ストレス / 家族機能 |
Research Abstract |
双生児を産み育てる家族に対し、効果的な援助システムの構築のため、双生児を妊娠中から出生後早期の看護介入の効果を検討することを目的として研究を行った。介入内容と方法は、双生児を妊娠中の母親およびその家族に、妊娠中から双胎妊娠の母親学級などの援助を実施し、出産後4ヶ月までの退院後の家庭訪問である。介入群は25名あった。対照群としては、妊娠中から双生児のための看護職による特別な介入を受けておらず、育児支援のグループにも入っていない双生児の母親50名である。看護介入の評価方法は(1)母親の精神身体健康度(GHQ28)(2)家族機能の評価(FFFS)(3)多胎妊娠育児への理解度(4)双生児を育てることへの育児不安である。両群について妊娠中および出産後2〜4ヶ月のころ(介入群は訪問後)に質問紙を郵送し、回答を求めた。結果はGHQ28の合計得点と下位項目である4領域(身体的症状、社会的活動障害、不安と気分変調、うつ傾向)とも産後2〜4ヶ月では介入群のほうが有意に低値であり健康状態は良好であった。また妊娠中のGHQには介入群と対照群には差はなく、看護介入の効果が示唆された。さらに介入群のGHQにかかる家族機能の3領域を重回帰分析し偏回帰係数を求めた結果、介入群で「個々の家族成員との関係」に有意性が認められた。対照群の重回帰分析では、「社会関係」に有意性が認められ、看護介入では家族成員特に夫との関係を強めるような働きかけが考えられた。本研究より双胎妊娠中からの継続的で個別な看護介入は、母親の精神身体健康度を良好にする効果があると考えられた。
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