2001 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣に関連した健康障害をもつ思春期の子どものヘルスプロモーションに関する研究
Project/Area Number |
13672530
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
二宮 啓子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (50259305)
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Keywords | 思春期の子ども / 親 / 生活習慣 / 認識の相違 / 自己効力感 / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
思春期の子どもへのヘルスプロモーション及びその看護介入方法に関する文献検討を行い、以下のことが明らかになった。思春期の子どもには自分の行動パターンとそれに対する認識にずれがあった。自己効力感・自尊感情・健康の認知的利益は健康行動・健康危険行動の回避と正の相関関係にあり、これらの変数を促進させる介入の重要性が示唆されていた。伝統的な教育的介入は知識を増やすためには効果的であったが、QOLと血糖コントロールの改善には効果がなく、心理社会的介入はQOLと血糖コントロールの改善の両方に効果的であったとの報告など、心理社会的な看護介入を行った研究は極少なかったが、思春期の子どもの健康行動を改善させるために有効であることが提示されていた。そのため、食事、運動、摂食習慣の指導を行うという末梢からのアプローチではなく、生活習慣の認知を矯正するために精神構造を改革するという,中枢からのアプローチが重要である。 Health Promoting Lifestyle Profileは、包括的な健康の概念に基づいたPender Health Promotion Modelに基づき開発されたものであるが、既存研究における対象年齢の下限が18歳であったため、中・高校生への使用には限界があると考え、それの使用を取りやめ、面接の中にライフスタイルに関する認識と実際の行動についての内容を盛り込むことにした。そして、成田らが開発した特性的自己効力感尺度に加えて、人間関係の影響を捉えるために中村らが開発したソーシャルサポート尺度を用いることにした。両方の心理測定尺度に関しては、著者に使用許可及び使用上の注意等の助言を頂いた。また、調査及び看護介入に必要な物品の準備を行い、A病院に文書と共に調査協力依頼のための説明に伺い、許可が得られたため、4月から外来研修ならびに調査を開始する予定である。
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