2002 Fiscal Year Annual Research Report
三宅島からの脱出とその後の暮らしが幼小児を抱えた家族に与えた影響について
Project/Area Number |
13672538
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
式守 晴子 東海大学, 健康科学部, 教授 (00298457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱本 洋子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (40315700)
石垣 和子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80073089)
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Keywords | 乳幼児 / 母子保健 / 災害看護 / 適応 / 精神保健 / 育児負担 |
Research Abstract |
昨年度は,三宅島の未就学児全員とその養育者を対象に,子どもと親の暮らしについてアンケート調査をおこなった。その調査から,子どもや養育者は避難地にて予防接種など適切な保健行動がなされていたが、養育者自身は抑うつ感などを訴えており、精神的な支援が必要と考えられた。 今年度は,精神的負担の内容を明確にするために、訪問による面接調査を行った。調査対象者は昨年のアンケート調査で同意が得られた養育者である。一人につき1〜5回の訪問を行い、半構成的面接を行い、避難から苦労した点、現在困っていること、希望する支援などについて聴き取りを行い、録音したテープを起し記述的なデータとし,分析を行った。2003年2月現在5名に面接しデータ分析中で、3月末までにさらに5名の方と面接予定である。 データ分析の結果、広域避難したことによって、(1)市町村により母子保健サービスのあり方が異なり,情報を得にくく,孤立しがちとなる、(2)島以外の東京他にて成育した養育者の避難地への適応はよいが、島出身者は引きこもりがちとなる、(3)避難から現在までの間に家族内でまた親戚関係の問題が露になり、家族/親戚関係が変化し、相互のサポートができないという理由から、精神的な不調感が生じていると考えられた。 なお、2003年6月に開催される地域看護学会および9月の家族看護学会にて2001,2002年度の結果を発表予定である。
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