2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌手術後の患者と家族員の社会復帰を支援する外来看護のあり方に関する研究
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13672540
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Research Institution | Juntendo Medical College of Nursing |
Principal Investigator |
浅野 美知恵 順天堂医療短期大学, 看護学科, 講師 (50331393)
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Keywords | 消化器癌手術 / がん患者 / がん患者の家族員 / 社会復帰 / 患者中心の看護 / 外来援助方法 / 看護サービス |
Research Abstract |
本研究は、消化器がん手術後の患者と家族員の社会復帰を支援するために昨年度に開発した外来援助方法モデルを用いて援助を実施することに焦点を当てている。調査協力の得られた1施設の胃腸科外来と外科外来にて、承諾の得られた対象者に外来援助方法モデルを用いて援助を実施した。看護援助の内容と反応、回復に関わる身体状況や生活状況、看護職者との関わりに対する思いなどについて、半構成的面接法と記録調査および質問紙による調査を行った。分析は、質的・帰納的な方法と統計的な方法で行った。 その結果、(1)対象は、がん患者38名(男性27名、女性11名;平均年齢59.7歳)と家族員38名(男性9名、女性29名;平均年齢55.1歳)の計76名であった。家族員の患者との続柄は、配偶者35名、子2名、兄姉1名であった。介入群(A群:外来援助方法モデルによる援助を実施する群)17組、対照群(B群:外来の標準看護を実施する群)21組であった。時期別では、退院後〜3ヶ月は11組、手術後2〜3年は14組、手術後5年以上は13組であった。 (2)外来援助方法モデルを用いて症状コントロールに関する指導や精神的な援助、家族間の調整などの援助を行った結果、援助目標は、ほぼ達成されている。 (3)統計調査の結果:生活状況はSF-36による調査結果では、患者の得点は両群とも高くなり、QOLは全体として向上していた。家族員の得点は、A群はやや高くなり、B群は全体的に低下が認められた。術後の回復に関わる身体状況は、患者よりも家族員の方が回復の認識が早い傾向が認められ、A群とB群による違いの認められる項目があった。看護職者との関わりへの満足度は高かった。 次年度(最終年度)は、実施した援助を評価し、外来援助方法の精選を図るために、さらなる調査を3ヶ月間行う予定である。現在調査をさせていただいている施設の研究協力の承諾は得られている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 浅野美知恵, 佐藤禮子: "手術を受けたがん患者の社会復帰過程における家族員の患者支援行動と家族員への看護援助"日本がん看護学会誌. 17巻1号. 25-34 (2003)
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[Publications] 浅野美知恵: "第2回ICN International Nurse Practitioner/ Advanced Practice Nursing Network Conference リポート"インターナショナルナーシング レビュー. 26巻3号. 115-118 (2003)
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[Publications] 浅野美知恵, 佐藤禮子: "がん手術後の社会復帰過程にある患者を抱える家族員の生き方の変化と看護援助"がん看護. 9巻1号. 80-87 (2004)
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[Publications] Michie Asano, Reiko Sato: "Development of a nursing model for return to social life for postoperative cancer patients and their family members in Japan"3^<rd> ICN International Nurse Practitioner/Advanced Nursing Network Conference, Groningen, The Netherlands, June29th-July2ed. (発表予定). (2004)
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[Publications] Michie Asano, Reiko Sato: "Survivorship of cancer patients at 2 to 3 years after surgery"JANS 5^<th> International Nursing Research Conference, Fukushima, Japan, August29th. (発表予定). (2004)