2001 Fiscal Year Annual Research Report
関節の周期運動における協同収縮の意義とその発生メカニズム
Project/Area Number |
13680010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 憲政 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00210469)
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Keywords | 身体運動 / 協同収縮 / 関節スティフネス |
Research Abstract |
本研究のテーマは,身体の運動の基盤となる関節まわりの周期運動において観察される屈筋と伸筋の協同収縮の生成メカニズムを解明することである. その第一年目として,屈筋と伸筋の協同収縮は,力学的には関節の剛性(スティフネス)を高める結果となるので,運動中の関節スティフネスを測定し,その値が運動の状態とともにどのように変化するかを身体運動の実験で検討することから,間接的に屈筋と伸筋の協同収縮の発生メカニズムを検討した. まず身体運動の実験に先立ち,運動中のスティフネスを測定する実験器具をトルクモータを制御する方式で開発した.この新たに開発した測定器は,電子クラッチの作動でトルクモータと身体に外力を与える部分が制御され,関節に瞬間的にトルクを与えると共にそれ以外の間は全くフリーに関節運動ができるように工夫されている.このスティフネス測定器を用いて,6人の被験者の様々な運動周波数で運動中の肘関節にトルクを加え,その際の関節変位を同時に測定することから,運動中のスティフネスを推定した.その結果,1)関節ススティフネスは前腕部の慣性モーメントに対応する周波数の運動の際に最小となること.2)関節スティフネスはその最小値を示す運動周波数より周波数が減少する場合と増加する場合の両方ともに増加することが明らかになった.つまり,関節スティフネスの変化は運動周波数に応じてU字型の変化を示すことが明らかになった.これらの実験結果は,骨格系のダイナミクスがスティフネス制御に関与していること,すなわち屈筋と伸筋の協同収縮の発生に関与していることを示唆した.
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