2002 Fiscal Year Annual Research Report
肥大した骨格筋組織に出現するサテライト細胞以外の筋原細胞の由来と役割について
Project/Area Number |
13680015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 茂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50092367)
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Keywords | 筋肥大 / サテライト細胞 / アルブミン / 細胞核 / 肝細胞 / 細胞融合 / 移植 |
Research Abstract |
一般的に臓器組織の成長は臓器をつくる細胞の肥大と細胞の増殖によってもたらされる。骨格筋の場合も同様である。運動による骨格筋の成長は細胞の肥大によるものと考えられてきたが著者らの実験はこれまでの説を否定するものであった。腱切除法により代償性肥大を誘導し肥大筋と対照筋から筋繊維を単離し、それぞれの細胞の核と容積を測定した。測定の結果、骨格筋の細胞核当たりの容積は肥大筋も対照筋もほぼ同じであることから、細胞核になるべき核の増加が細胞肥大には必然的であることが判明した。従ってこれまで筋細胞の肥大は筋細胞を構成するタンパク質の合成が分解を上回ることによっておこるとされていたがこの説は核が予め存在して起こることが確認された。即ち、細胞の肥大は細胞増殖と同様に既存の筋細胞以外からの細胞の融合あるいは核の融合によって起こることが判明した。次に、骨格筋肥大時に増加する核の由来について検討した。これまで研究室で行って来た筋肥大の研究で分子量64kDaのタンパク質が特異的に増加することを発見した。このタンパク質はアルブミンとほぼ同じであることが化学的・免疫学的実験から明らかにした。これまでアルブミンは肝臓でつくられるものと考えられてきたが、筋細胞でもつくられ、肥大筋でその量が多いことから、肝臓細胞が血液を介して筋組織に浸潤するものと考えられる。この仮説は筋への機械的伸展刺激がストレスとなり肝臓から細胞が剥がれ、血液に入り、筋組織に浸潤するというものである。そこで、最初の実験として肝細胞が筋細胞に融合することを確認するために、同腹のマウスを6匹用い、1匹のマウスから肝細胞を分離し、ダピ染色を施した後に、その細胞を5匹のマウスの筋組織に移植した。この結果、筋細胞の中にダピで染色された核が多数観察することができた。この結果、肝臓からの細胞が筋肥大に関与する可能性が示唆された。また骨髄細胞についても同様の移植実験を行った。その結果、骨髄細胞核も肥大筋繊維の中に観察され、明らかに筋肥大に深く関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Fujimoto, S Yamada: "Myonuclei increase in hypertrophied skeletal muscle fibers under functional overload"The proceeding of the 4th ASIA ICHER SD Congress. (in press). (2003)
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[Publications] S.Yamada, Y.Ogawa: "Histochemical aspects of hypertrophied skeletal muscle induced by tenotomy in mice"The proceeding of the 4th ASIA ICHER SD Congress. (in press). (2003)
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[Publications] Y.Ogawa, S.Yamada: "Influence of exercise on hypertrophy of skeletal muscle in heated swimming pool"The proceeding of the 4th ASIA ICHER SD Congress. (in press). (2003)