2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動開始時の呼吸応答と循環応答の類似性・独自性に関する研究
Project/Area Number |
13680020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (50193321)
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Keywords | 換気応答 / 心拍応答 / 血圧応答 / 性差 / 鍛錬者 / 呼吸・循環連関 / Gain |
Research Abstract |
【目的】生体は運動開始直後に酸素需要量に合わせて、できるだけ早く正確に呼吸機能と循環機能を亢進させる必要があるが、酸素摂取システム全体としてアンバランスが生じないように、両者は協調して変化していると考えられる。先行研究では日頃トレーニングを積んでいない様々な年齢の男性で、運動開始直後の換気応答と心拍応答の大きさとの間に有意な正の相関関係があることを見いだしたが、今回は被検者の幅を広げ、女性、鍛錬者(特に短距離選手)を含めてそのような関係が成立するのか明らかにしようとした。 【方法】女性群として健康な成人女性7名、短距離群として優秀な大学短距離選手10名、対照群としてそれぞれ日頃トレーニングを積んでいない成人男性7名と10名を被検者とし、安静状態から両脚交互の脚伸展-屈曲運動(負荷;体重の2.5%)を20秒間だけ5、6セット行わせ、その時の毎分換気量、心拍数、平均血圧を測定した。さらに同じ運動を3分間継続した時の定常値を100%、安静値を0%として運動開始15秒目の相対的変化率を応答の大きさ(Gain)とした。 【結果と考察】男女間、そして短距離選手群と非鍛錬者群間で毎分換気量、心拍数、平均血圧に有意差は認められず、運動開始直後の換気、心拍、血圧応答に性差、トレーニングの影響はないことが明らかとなった。また、個人の換気のGainと心拍のGainをプロットすると、それぞれの実験においてr=0.5程度の有意な正の相関が認められ、これまでのデータを含めた82名のデータを合わせても、換気応答と心拍応答のGainはr=0.52、P<0.001と高くて有意な正の相関関係が認められた。これは換気と心拍応答の入力システムが同じ神経経路であることが原因と考えられる。しかし、換気と血圧、心拍と血圧に有意な相関関係は認められなかった。 【結論】運動開始直後には換気と心拍は類似した変化を示す。
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[Publications] 石田浩司: "呼吸と運動の限界因子"体育の科学. 53・2. 90-95 (2003)
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[Publications] 石田浩司: "運動と循環"加賀谷淳子、中村好男. 304 (2001)
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[Publications] 石田浩司: "新運動生理学(下巻)"宮村実晴. 796 (2001)