2002 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニングによる心肥大と不整脈に心血管系遺伝子がおよぼす影響について
Project/Area Number |
13680037
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
前田 雅人 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20315386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 敦夫 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (80117548)
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Keywords | スポーツ心臓 / レニン・アンギオテンシン系遺伝子 / 遺伝子多型 / 最大酸素摂取量 |
Research Abstract |
大学の陸上部に所属している男子長距離選手21名を対象として,スポーツ心臓と心血管系遺伝子多型について検討し,以下の結果を得た。それぞれの値はmean±S.D.にて示す。 1.心電図では,安静時心拍数494±7.7/min,左室電位差4.26±1.12mVであり,トレーニングにより明らかに徐脈と左室高電位差が認められた。またホルター心電図では,2秒以上のpauseが17名中11名(65%)と高率にみられた。 2.心エコーでは,LVDd(51.4±3.4mm),LVDs(32.7±3.4mm),IVST(10.9±1.5mm),LVPWT(11.1±1.5mm),EF(65.6±5.7%),CO(4.23±0.91/min),LVmass(263.3±47.3g)であり,LVmassにトレーニングによる増大傾向がみられた。 3.運動代謝能力については,最大摂取酸素量68.1±5.4ml/kg/min,無酸素作業閾値48.7±7.0ml/kg/minであり,トレーニング効果がみられ,代謝能力は高値であった。 4.angiotensin converting enzyme (ACE)遺伝子の遺伝子多型について検討したところ,DD型2名(10%),DI型9名(43%),II型10名(48%)であった。D群(DD+DI)とI群(II)について心電図,心エコー,運動代謝能力の各項目から検討したが,有意な変化を認めなかった。しかし指尖の加速度脈波の解析結果から,D群の方に有意に血管伸展性の低下が認められた。 5.Angiotensinogen(AGT)遺伝子の遺伝子多型について検討したところ,TT型11名(55%),MT型9名(45%)であった。T群(TT)とM群(MT)間の比較を行ったところ,ホルター心電図の最低心拍数がT群において有意に低かった。他の検査では有意差は認められなかった。
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