2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680040
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井澤 鉄也 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70147495)
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Keywords | ラット / 運動トレーニング / 脂肪細胞 / 脂肪組織 / 脂肪分解反応 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素供与剤 |
Research Abstract |
ヒトやラットの脂肪組織や脂肪細胞に一酸化窒素合成酵素(NOS)が発現し、一酸化窒素(NO)が脂肪細胞の脂肪分解反応に抑制的に働くことが示されている。しかし,トレーニング(TR)による脂肪細胞の脂肪分解反応増強機構にNOが関与しているか否かは全く分かっていない。そこで本年度は、TRを行ったラットの脂肪細胞におけるNOの役割について比較検討した。実験には。4週齢のWistar系雄ラットを用い、コントロールラットとトレーニングラットに分けた。トレーニングラットには9週間のトレッドミル走行を課した。脂肪組織における脂肪分解反応はコントロールラットとトレーニングラットで顕著な差はみられなかったが、NOS阻害剤であるL-NAME(N^G-nitro-L-arginine methyl ester) 存在下の脂肪分解反応増加率は、イソプロテレノール刺激時の脂肪分解反応がトレーニングラットで顕著に増加していた。このことから、トレーニングラットの脂肪組織ではNOによる影響をより強く受けていることが示唆された。そこで、NO供与剤であるPAPA-NONOate (1-Propamine,3-(2-hydroxy-2-nitroso-1-propyl-hydrazine)とSNAP (S-nitroso-N-acetyl-penicullamine)との脂肪分解反応に及ぼす影響を比較検討した。両供与剤ともに脂肪分解反応を著明に抑制した。PAPA-NONOateによる抑制効果は両群でほぼ同じであったが、SNAPによる抑制効果はTR群で有意に大きいものであった。以上の結果から、トレーニングによって脂肪細胞のNOに対する反応性が増大することが明らかになった。
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