青少年期における身体組成および骨密度に及ぼす身体活動および食生活行動の影響(日本の中規模市および近隣在住の小・中学生の場合)

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680043
• Research Institution: Siebold University of Nagasaki
• Principal Investigator: 綱分 憲明 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (10172040)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村木 里志 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 講師 (70300473) ; 武藤 慶子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 助教授 (70290616) ; 西明 眞理 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (50178521)
• Keywords: 青少年期 / 発育発達 / 身体組成 / 骨密度 / 体力 / 食行動

Research Abstract

近年、・小・中学生の体力の低下、肥満もしくは極度の痩身ならびに骨折の増加が指摘されている。しかし、小・中学生期は、形態的発育の顕著な身体充実期であり、この時期の体力、身体組成ならびに骨密度の発達は、その時期だけの問題ではなく、その後の健康状態に大きく関係する。こうした観点から13年度は中規模市の諌早市で協力を得られた小学校、また本学所在地および周辺市町の長崎市、長与町および時津町等の地域運動サークルに参加している児童・生徒を、14年度は前年度の協力小学校および運動サークル参加児童・生徒を継続対象とするともに、さらに長与町内の協力を得られた中学校生徒を対象に、身体組成(協力校はインピーダンス法のみ)、骨密度体力測定を実施した。また、これらの測定に合わせて質問紙による身体活動状況や食生活行動調査等を実施した。なお、骨密度測定に時間を要するため、小中学校では授業の支障のない範囲の各学年1クラス程度を対象とした。協力小学校で得られた測定データについては、第56回日本体力医学会大会では、身体組成、骨密度及び体力の男女学年別の特徴や関連を、第57回日本体力医学会大会では、2ヵ年間のデータをもとに身体活動状況、つまりスポーツクラブ参加の有無から身体組成、骨密度及び体力の違いを報告した。特に、スポーツクラブ参加、つまり継続した運動の実践の違いが高学年になるに伴って参加者の顕著な伸びがみられたが、一方、非参加者の伸びは緩やかであり、骨密度では停滞する傾向までみられた。これらの解析結果をもとに、健全な発育発達を促すための運動の習慣の重要性を報告した。これまで、骨密度測定者人数で換算すると、測定者は協力小学校で延べ380名、協力中学校で185名(インピーダンス法による体脂肪率及び体力含む)、地域運動サークル参加者については、2年間で小学生高学年生から中学生までの男女372名を測定してデータの蓄積に努め、一般児童・生徒との身体組成や骨密度の発達差異、身体組成や骨密度と体力、身体活動状況や食事摂取状況との関連、身体組成測定手法の違い(インピーダンス法、空気置換法および皮下脂肪厚法)。による体脂肪率の比較・関連などについで検討を試みている。