| Research Abstract |
本研究は,受動的stretchingによる筋肥大とMyoD familyとの関連について検討するために,10週齢のWistar系雄性ラットを用い,1)正常な神経支配の協働筋切除による機能的過負荷を施したグループ(NM-Cont)。2)正常な神経支配の協働筋切除の偽手術を施したグループ(NM-OL)。3)除神経を施し,さらに協働筋切除による機能的過負荷を施したグループ(DN-Cont)。4)除神経を施し,協働筋切除の偽手術を施したグループ(DN-OL)の4つのグループを作成し,MyoDの発現量の変化について観察を行った。協働筋切除は,腓腹筋,ヒラメ筋を遠位方向から2分の1切除することによって足底筋に過負荷を施した。除神経は,拮抗筋を支配している総腓骨神経は正常に保ち,脛骨神経のみを約0.5mm切り取ることによって足底筋に対し除神経を施した。
機能的過負荷,および除神経を実施した後,足底筋の筋重量は,処置3日後,7日後,21日後ともNM-Contと比較してNM-OL群において有意に高い値を示した。また,除神経を施した足底筋においても,DN-Cont群と比較してDN-OL群の筋重量が有意に高い値を不すことが認められた。NM-Contと比較してNM-OL群は,typeIミオシン重鎖の割合が有意に高い値を示した。一方,DN-Cont群とDN-OL群との比較では,typeI, IIa, IIb,およびIIxのいずれにおいても,差は認められなかった。MyoDのタンパク量は,NM-OL群とNM-Contとの間に差は認められなかった。また,DN-OL群とDN-Cont群との間にも差は認められなかった。一方,処置3日後のMyoD mRNAの観察では,筋重量の変化と同様にNM-OL群はNM-Contと比較して発現量が増加し,DN-OL群はDN-Cont群と比較して発現量が増加する傾向が認められた。このことから,受動的stretchingによる筋肥大は,MyoD mRNAの発現量と関連がある可能性が示唆された。
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