2001 Fiscal Year Annual Research Report
持久性トレーニングによる赤血球容積増加の背景には何があるか
Project/Area Number |
13680050
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岩垣 丞恒 東海大学, 体育学部, 教授 (10056103)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 利広 東海大学, 体育学部, 助教授 (50175949)
|
Keywords | 持久性トレーニング / 4年間の変化 / 赤血球MCV / 赤血球MCH / ヘモグロビン / 赤血球数 / ΔMCV / ΔMCH |
Research Abstract |
持久性トレーニングを行った36名の学生長距離選手について、4年間のMCV変化を見ると、初期値MCVによって、MCVの変化量(ΔMCV)に違いがあった。大きなΔMCV(7.4±1.8)、中程度のΔMCV(4.4±0.5)、小さいΔMCV(1.2±0.9)に分けその背景を検討した。MCHとMCVの関係では、およそ50%の対象者に相関が成立していなかったが、88μ^3以上を示す対象者では有意な相関が成立していた(p<0.05)。特に大きなΔMCVを示す対象者では、0.88±0.30pgの大きなΔMCHを示した。ところが持久性に大切なヘモグロビン量(ΔHgb)についてみると、大きなΔMCV群ではΔHgbは減少し、小さなΔMCV群では逆に増加していた。この背景を赤血球数(RBC)の変化量に求めたところ、同じ持久性トレーニングを実施しているにもかかわらず、大きなΔMCV群では、RCBの減少が大きく、逆に小さなΔMCV群ではRCBが増加していた。この背景を赤血球数の初期値に求めると、大きなΔMCV群ではこの初期値が高く、小さなΔMCV群ではこの初期値が小さいことが明らかとなった。従って、赤血球容積増加の背景には持久性トレーニング前の赤血球数によりその変化が全く異なる。これらの背景を生化学的面から検討するため、MCVとplasma HDL、plasma particle image(PPI)、血清Feとの関係を求め、持久性トレーニングはPPIを小さくし、MCVとplasma HDLとの関係を強め、血清Feが必須の役割を演じていることも明らかとなってきている。現在は赤血球膜蛋白質と脂質について検討を継続している。
|
-
[Publications] 岩垣 丞恒: "ラットの持久性トレーニングにおける環状ハポリ乳酸の影響"運動生化学. 11,12. 21-24 (2001)
-
[Publications] 佐藤大貴, 岩垣丞恒: "長距離選手のplasma HDLについて"運動生化学. 11,12. 35-37 (2001)
-
[Publications] 岩垣丞恒, 新居利広: "学生長距離選手の赤血球指標の変化とその背景"合同学会大会大阪2000論集. 大阪体育大. 113-117 (2001)
-
[Publications] 河乃建仁, 岩垣丞恒, 山村雅一: "Plasmaの形態的特徴における持久性トレーニングの影響"体力科学. 50(6). 843 (2001)
-
[Publications] 岩垣丞恒, 新居利広, 山村雅一: "長距離選手の血清FFAの特徴"体力科学. 50(6). 860 (2001)
-
[Publications] Sun Gang, T.Arai, S.Iwagaki: "Background of incremental MCV of student distance runners with prolonged endurance training"Advances in Exercise and sports physiology. 7(4). 185 (2001)
-
[Publications] 岩垣丞恒, 山村雅一: "運動生理学-血液粘度(分担出版)"真興交易(株)医書出版部. 381 (2001)