2002 Fiscal Year Annual Research Report
持久性トレーニングによる平均赤血球容積増加の背景には何があるか
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13680050
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩垣 丞恒 東海大学, 体育学部, 教授 (10056103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 利広 東海大学, 体育学部, 助教授 (50175949)
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Keywords | plasma HDL / plasma HDL-MCV関係 / 温度依存性MCV / pH依存性MCV / 酸素濃度依存性MCV / 二酸化炭素依存性MCV / 生理的不活性条件 / 生理的活性条件 |
Research Abstract |
長距離選手の持久性トレーニングに伴う赤血球MCVの増大には、同等のトレーニングを実施しているにもかかわらず、個人差があり、その違いはトレーニング開始時の赤血球数(RBC)が高い選手で赤血球の低下とこれに伴うMCVの増加が代償的に発現していた。このような現象の認められる選手は42名中9名で、全ての選手に発現している現象ではなく、トレーニング初期の赤血球数が503.2±32.4(×10^4/μl)であり、470万/μl以下ではΔMCVが小さく、高い毒赤血球保持者に限定して出現し、その結果が5000m、10,000m走の記録更新に結びついていた。PlasmaHDLと赤血球MCVとの間には相互関係が認められ、赤血球MCVの増大には、plasmaHIDの増加が伴っていなければならない。その証拠に、この相互関係と10,000m走の自己記録との間に有意な指数関係が見い出され、plasmaHDL、LCAT、赤血球膜PC、赤血球MCVが一連の関係として成立し、これらの関係のどの部分でも不成立となれば、MCVの増大、或いは記録の更新と結びつかなくなることも明らかとなった。更に、赤血球MCVの直接的変化要因として、in vitroによる実験を加えた。その結果、生理的不活性な条件下(低温、酸性、低酸素濃度、高炭酸ガス濃度)では、赤血球MCVは大きく、逆に、活性条件下(高温、高酸素濃度、低炭酸ガス濃度)では、赤血球MCVは小さくなることを見い出した。従って、運動、持久性トレーニングに伴う赤血球MCV増大の背景には、運動に伴うこれらの生理的不活性条件の成立が関与していると考えられる。しかし、これらの変化(ΔMCV)が大きくなるのは、トレーニング初期の赤血球数が高いことが望まれ、この差が個体差を生じていた。
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[Publications] Kohno, K., Iwagaki, S., Arai, T., Osaki, S: "Effects of swimming training on the liver cell cycle in rats"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8(4). 201 (2002)
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[Publications] Iwagaki, S., Kohno, K., Arai, T., Osaki, S: "Changes in plasma lipids increasod by inhalation of high oxygen concentration"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8(4). 161 (2002)
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[Publications] Utsu, H.Arai, T.Osak, S.Kohno, K.Iwagaki, S.: "Changes in mean of corpuscular volume (MCV) of red blood cells (RBC) during exercise"Advances in Exercise and Sports Physiology. 8(4). 172 (2002)
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[Publications] 河乃建仁, 岩垣丞恒, 大崎栄, 新居利広: "高濃度酸素吸入によるplasma粒子への影響及びその背景について"体力科学. 51(6). 622 (2002)
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[Publications] 橋本匡史, 山村雅一, 岩垣丞恒, 新居利広: "運動における水の移動(第1報)"体力科学. 51(6). 631 (2002)
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[Publications] 岩垣丞恒, 河乃建仁, 大崎栄, 新居利広: "ラットの副睾丸脂肪組織における環状ポリ乳酸の影響"体力科学. 51(6). 649 (2002)
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[Publications] 岩垣丞恒(分担出筆): "生理学の基礎と発展"フリースペース. 212 (2002)
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[Publications] 岩垣丞恒(分担出筆): "骨格筋疲労の分子機構"ナップ社. 450 (2002)