2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680052
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小川 芳徳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70142479)
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Keywords | トレーニング / マウス / 貧食能 / 過酸化水素産生能 / 運動 / 顆粒球 |
Research Abstract |
これまで一過性の急性運動や習慣的な運動が感染に対して抵抗力を高めるか否かについて検討を加えてきた。その結果、一過性の運動では運動時間の長短に関わらず、運動後感染に対する抵抗力が一時期高まるという成績を得た。また、習慣的な運動、すなわちトレーニングによっても感染に対する抵抗力は高まるという成績も得た。しかしながら、これら感染に対して抵抗力を示したトレーニングマウスの生体内でのメカニズムについては不明である。そこで生体の第一次の防御を担う白血球について検討を行った結果、顆粒球の上昇がみられた。今回、顆粒球の機能的な面を検討する目的で貧食能と過酸化水素産生能について検討した。 方法:被検動物は雄性マウスddY5週齢を用いた。感染に対して抵抗力を示したトレーニング2週間群を対象とした。トレーニング条件は運動時間1時間/回、5回/週であり、最後の運動終了24時間後に採血を行った。マウスは運動群(E)、対照群(C)、そして水に浸した群(SC)を設定した。水温ま36℃とした。測定項目は総白血球数、貪食能、過酸化水素産生能である。貧食能は蛍光粒子を用い、前処理した後(37℃、10分間保温)、全血に加え撹拌し、さらに37℃で15分間保温した。その後、溶血剤を加え4℃で冷却し、フローサイトメトリーで測定した。過酸化水素の産生能は全血にDCFH-DAを加えPMAで刺激し、溶血させた後、フローサイトメトリーで測定した。 結果:トレーニング終了後E群の総白血球数はC群・SC群のそれに比べ統計的に有意に高い値を示した。白血球の分画では顆粒球に統計的に有意な上昇がみられた。これらの貧食能についてみると、E群はC群、SC群に比べて低値を示した。また、PMA刺激後の蛍光度を測定した結果、C群、SC群に比べE群は蛍光度が高い傾向にあったが、統計的に有意な変化ではなかった。さらに、長期のトレーニング群を調査検討中である。
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