2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13680074
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Research Institution | St.Mary's College, Nagoya |
Principal Investigator |
鈴木 裕子 名古屋柳城短期大学, 保育科, 助教授 (40300214)
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Keywords | 幼児 / 身体活動尺度 / 身体活動量 / 活動意欲 / 運動能力 / 生活習慣記録機(ライフコーダ) / こころとからだ / 身体表現遊び |
Research Abstract |
本研究における平成14年度の主な目的は、幼児の身体活動をとらえるための評価尺度の開発と、身体活動意欲増強のための「こころとからだで表わすプログラム」の作成及び実践であった。 幼児の身体活動をとらえるための評価尺度の開発では、主として幼稚園・保育園内での子どもの生活を焦点にした尺度の開発をめざし、その手立ての第1段階として評価尺度の項目を収集した。愛知県内の幼稚園・保育園の保育者を対象にした郵送による質問紙調査を行い、152名の保育者の記述の分析から「よく動く子」の概念を具体化することを試みた。保育者の記述からは1195例の記述が抽出され、内容の読み取りから56項目に分類された。さらにそれらは、運動遊びの傾向<運動遊びへの志向 運動遊びの内容 身体活動の量や強度 運動遊びの空間>遊び(運動遊びを主とした)における行動傾向<自己実現と創意工夫 社会的行動 好奇心と持続性 活動の積極性>、日常生活の行動以上の3側面<9要因>にまとめられた。現在、この尺度項目が幼児の身体活動評価として適合するかを検討するために、再現性や内的整合性を調べる信頼性の検証、内容的妥当性及びライフコーダを用いた身体活動量の測定結果の相関による併存的妥当性の検証の手続きを進めている。 身体活動意欲増強のための「こころとからだで表わすプログラム」については、4、5歳児を対象とした身体表現遊びを計画・実践し、幼児が身体表現遊びのなかで物語をつくる過程について、からだを使って動くことによってイメージを想起していく様相を検討した。それによって、身体表現遊びやごっこ遊びのなかで保育者が幼児の表現意欲を喚起させるための援助の視点を示すことができた。
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[Publications] 鈴木裕子, 西洋子, 本山益子, 吉川京子: "幼児の身体表現あそびにみられる物語展開の過程"名古屋柳城短期大学研究紀要. 24号. 117-128 (2002)
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[Publications] 鈴木裕子, 鈴木英樹, 森勇示, 上地広昭: "幼児の身体活動評価尺度の開発-「よく動く子」の概念の具体化からの尺度項目収集-"平成14年度日本体育協会スポーツ医・科学研究報告. NO.1-第2報. 99-106 (2002)
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[Publications] 鈴木裕子, 西洋子, 本山益子, 吉川京子: "幼児期における身体表現の特徴と援助の視点"舞踊学. 第25号(印刷中). (2002)
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[Publications] 西 洋子, 本山益子, 鈴木裕子, 吉川京子: "子ども・からだ・表現-豊かな保育内容のための理論と演習-"市村出版. 129 (2003)