2002 Fiscal Year Annual Research Report
多自然居住地域の創造のための地域連携の実態調査と展望
Project/Area Number |
13680092
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮口 とし迪 早稲田大学, 教育学部, 教授 (80097261)
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Keywords | 多自然居住地域 / 生活サポート機能 / 地域連携 |
Research Abstract |
2ヵ年にわたって、4地域において、都市的な生活サポート機能の立地状況とその利用に関して、ヒアリング及び簡単なアンケート調査を行なった。いずれも県庁所在地ないしそれに準ずる中核都市から1時間以上の時間距離を要する地域である。このような地域で、オリジナルな地場の産業を育成しながら、レベルの高い都市的な生活サポート機能を享受できるしくみを作ろうというのが、多自然居住地域の創造という国土計画のテーマである。対象とした生活サポート機能は、病院(風邪等、要手術、出産、歯科)、買物(通常の食材、高級な食材、日常の衣料、外出用衣料)、外食、金融、旅行エージェント、書店、高校、自動車教習所、図書館等である。その結果については分析中であるが、その概況の一端を紹介すれば次のようになる。 富良野地域では、高レベルの機能になると、中核都市である旭川の利用が目立ち、旭川に近い上富良野町のみならず、遠い南富良野町にも旭川の利用が見られ、中核都市の利用が不可欠になってきている状況が窺われる。 遠野地域では、遠野から見て花巻側にある宮守村・東和町に遠野市の機能を利用する人が格段に少なく、より上位の都市の利用が目立つ。 確たる中心都市を持たない雲南広域圏では、域内の中で多少のロードサイドショップの立地が見られる三刀屋町の利用が見られるものの、広島県に近い側は三次市、出曇市に近い側は出雲市の利用が顕著であった。一方、松江市の利用も少なからずあり、県庁所在地の力を示している。 やはり確たる中心都市がない阿蘇地域では、機能利用のための行動が、東西南北に分化し、その上に熊本市方面の機能利用が重なっている。雲南地域と同様、これは市町村合併の方向にも大きな影響を与えそうである。
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