2002 Fiscal Year Annual Research Report
流通チャネルの情報化に伴う地方卸売業の変容と地方都市への影響に関する地理学的研究
Project/Area Number |
13680094
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
箸本 健二 大阪学院大学, 企業情報学部, 助教授 (10269607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 良雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50134408)
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Keywords | 卸売業 / 流通 / 情報化 / 地方都市 |
Research Abstract |
本研究の目的は、流通業界における情報化の進展と、これに伴う地方中小卸売業の淘汰が、地方都市の経済基盤に与える影響を実証的に分析し、このような変化が都市の競争力に与える影響を考察することである。 この目的に沿って、初年度にあたる平成13年度には、商業統計および事業所統計等の基礎資料を用いて、過去20年間における卸売業の推移に関するデータベースを構築し、地方中小卸売業の推移をマクロな視点から整理した。その結果、過去20年間における地方中小卸売業の減少が小売業を上回る速度で進行する一方、その傾向には地域差があることを確認した。2年度目にあたる平成14年度には、初年度の分析に基づき、調査対象地域を東北地方に絞り込むとともに、宮城県仙台市(地方中心都市)、秋田県秋田市(県庁所在地)の消費財卸売業を対象としたアンケート調査を実施した。その結果、情報化が地方卸売業に与えた影響の程度は、都市の階次および卸売業の業種によって異なることが確認された。 平成15年度には、秋田県下4都市(湯沢、大館、横手、能代。いずれも県庁所在地ではない地方都市)における補足的なアンケート調査を行うとともに、企業十数社に対するヒアリング調査を行う。ここから得られたデータの分析を通じて、卸売業が淘汰される過程を類型化し、その都市間格差を検討した上で、報告書を取りまとめる。
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