2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能ゲル材料を応用した快適なオムツの設計に関する研究
Project/Area Number |
13680112
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
仲西 正 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90198143)
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Keywords | オムツ / ゲル / 吸水性 / 水の状態 |
Research Abstract |
高齢化杜会への移行に対応して,被服材料や生活材料に様々な機能化素材の投入が必要となってきた.たとえば高吸水機能を持つオムツ素材や消臭機能を持つ衣服・寝具素材などである.オムツの高吸水性素材としては,従来の紙や布などの繊維製品にかわり,合成高分子の網目構造からなるゲル材料が用いられてきている.ゲルは,高い吸水能を持つこと,ゴム弾性を有すること,そして温度やゲルの周囲の溶液組成などの外部条件によって大きな膨潤や収縮を示すことなどに特徴があり,今後も新しい生活機能材料となりうる高い可能性を秘めている.本研究では,このようなゲル材料からなる,尿量が乳児よりも多い高齢者などに適した高機能オムツ素材開発の指針を得ること目的としている. 平成13年度は,ゲルの調製法の検討と本補助金により新たに導入した示差熱分析装置の測定条件の探索を行った.測定に用いるゲルとして,ポリビニルアルコール(PVA)を種々の親水性-疎水性の異なるアルデヒドで架橋したフィルム状のゲルと,PVAの水溶液に放射線を照射して架橋したゲルを調製した.吸水挙動の測定には,重量法とゲルの直径を顕微鏡で測定する方法を用いた.ゲルの吸水量は,尿のモデルである,純水,アルカリ金属塩などの溶液に対して測定した.また,示差熱分析については,調製したゲルに対して,ゲルの含水率とゲル中の水の凝固点降下の測定を測定条件の探索も兼ねて行った.来年度は,ゲルに対する尿成分物質収着性と,それに対応した示差熱分析を用いたゲル中水の状態の検討を行い,基礎的な実験データの蓄積と考察を行う予定である.
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