2001 Fiscal Year Annual Research Report
寝具の廃棄物処理システム構築に関わる要因解析および循環型社会を目ざしての提言
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13680128
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
芳住 邦雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60220620)
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Keywords | 寝具 / 廃棄物処理 / 循環型社会 / 廃棄布団 / 綿 / ポリエステル / 敷き布団 / 掛け布団 |
Research Abstract |
現代社会における多様な廃棄物の処理は、極めて重要な社会経済上の問題である。廃棄される布団は、わが国全体では膨大なものとなるものと見込まれ、その処理は、環境保全・資源エネルギー問題における緊要な課題と考えられる。循環型杜会確立への過程に存在する要因を寝具の廃棄処理を研究対象としながら、解明することを目的としている。本年度は、廃棄の実態解明に主眼をおいた。 東京都環境局によって収集された廃棄布団を調査対象とした。廃棄布団の種類を調査したところ、敷布団が54%強で最も多く、次いで掛け布団が40%となっているコタツ布団は、6%程度であった。また、廃棄布団中の中ワタの比率は、綿が56.4%と半数強の最大の比率を占め、ポリエステルが、25.1%と全体の4分の1に達している。綿とポリエステルを混紡したものが12%である。高級布団とも言うべき羊毛布団は1.8%であり、羊毛とポリエステルの混紡の2.4%を加えても4.2%である。また、羽毛布団は、1.1%と極めて少数にとどまっていた。 一方、家庭の主婦の代表として、中学生徒の母親に布団の廃棄についてアンケート調査を依頼した。回答者の年齢層は40歳前後である。所帯当たりの人数は、平均4.2人であった。 各家庭で廃棄された実数を過去にさかのぼって記載してもらった。おおよそ3年間区切りでの廃棄枚数を集計したが、年代が古くなるほど、数値が小さくなる傾向があり、記憶のうすれと、購入時期への接近の2つの影響を受けていると思われる。,回答者が中学生の母親であるので、世帯を持ってから15年前後を経過しているとみると、現状は廃棄すべき布団のストックが充分であると考えられる。結果として、年間では一世帯で平均的に敷き布団0.30枚、掛け布団0.23枚、コタツ布団0.10枚、が廃棄されると結論された。
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