2003 Fiscal Year Annual Research Report
寝具の廃棄物処理システム構築に関わる要因解析および循環型社会を目ざしての提言
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13680128
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
芳住 邦雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60220620)
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Keywords | 循環型経済社会 / 3R / 廃棄システム / 布団廃棄量算定 / 乾燥特性 / ポリエステル / 消費者意識 / 尿素 |
Research Abstract |
寝具の廃棄は、現代社会の多様な廃棄物の中でも、日常生活に最も密着した消費アイテムの一つであり、環境保全・資源エネルギー問題として重要な課題と言える。 本年度は、第一に、消費者意識の解明と廃棄実態を検討した。301名の40歳および55歳の女性を対象としてアンケート調査を実施した結果、過去3年間で7割弱の人が寝具を廃棄した経験を有していた。年平均値では、掛け布団1.2枚、敷き布団1.3枚、マットレス0.6枚、毛布2.3枚、ベッド0.3台であった。家族数を平均3.5人として,日本の総人口1億2000万人における廃棄量を推算したところ掛け布団1300万枚、敷き布団1500万枚となった。この算定は、掛け布団・敷き布団の年間供給量3000万枚とほぼ対応する量であった。また、寝具の廃棄方法としては、粗大ゴミとしての廃棄が全体の2/3、可燃ゴミとしての廃棄が全体の1/3であった。一方では、打直しの依頼は全体の45%が経験しており、環境への配慮の意識がうかがわれた。 第二には、布団を洗浄して3R(Reuse, Reduce and Recycle)に貢献をする観点からの検討を行った。布団を洗うことは容易なことではない。まず布団の汚れ指標として尿素に着目し、桂皮酸アルデヒドが検出指示薬として有用なことを認めた。実用上の可能性を検討した。さらには、成人用サイズの布団を家庭用洗濯機で洗い、乾燥特性を明らかにした。夏期の晴れの日では、ポリエステル綿の敷き布団では付着した水分の50%が乾燥するには、約50分間、90%が乾燥するには約180分間を要した。自宅で布団を洗浄して、再利用に供することは可能であると結論された。 これまでの3年間の研究成果を総括して、循環型社会を構築するための提言を生活者の視点からとりまとめた。
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