2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680130
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
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Keywords | 染料 / 酵素 / 銅フタロシアニン / 脱色 / 液体クロマトグラフィー / フタル酸 / 分解中間体 / ビリルビンオキシダーゼ |
Research Abstract |
酵素を利用した染色廃水の処理方法を検討する目的で染料の酵素による脱色実験を行った。酵素としてはミロテシウムベルカリア由来のビリルビンオキシダーゼを、染料としてはアントラキノン系12種(C.I.Acid Blue 25,40,41,45,80,138,C.I.Acid Green 25,27,C.I.Reactive Blue 2,4,5,19),アゾ系10種(C.I.Direct Blue 6,15,C.I.Direct Green 59,C.I.Direct Violet 48,C.I.Direct Red 2,C.I.Direct Yellow 86,C.I.Direct Black 22,51,C.I.Reactive Red 120,C.I.Reactive Black 5),フタロシアニン系1種(C.I.Direct Blue 86),およびC.I.Direct Blue 106,の24種を用い、それぞれの水溶液に酵素を添加し、一定時間経過後の水溶液の吸収スペクトル変化およびHPLC変化から脱色過程を追跡した。実験した22種は数時間で脱色または変色が生じたが、C.I.Direct Yellow 86,C.I.Reactive Red 120の2種は、ほとんど変化が見られなかった。脱色または変色をした染料についてはHPLCによる分析条件の詳細な検討を行っているが、入手した染料の純度があまり良くないので染料の精製に時間が掛かること、および染料そのものの、および酵素による脱色反応によって生じた中間体の保持時間が短い等のために、中間体を分離することが困難な染料が多かった。条件については現在も検討を続けている。この中でフタロシアニン系のC.I.Direct Blue 86については、銅フタロシアニンに発煙硫酸を作用させて製造した異性体を多く含む市販品とは異なった合成法によって造った純度の高い染料を入手し、この染料に対する酵素による脱色過程の追跡を行ったところ、染料水溶液のHPLCには一つのピーク(保持時間3.75分)のみが、また、酵素添加後24時間経過した完全に脱色した水溶液のHPLCからは前とは別のピーク(保持時間4.21分;吸収特性、およびHPLC特性はo-フタル酸と類似)一つのみが出現した。平成14年度にはこの反応生成物を分取し構造解析を進める予定である。
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