2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680137
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
平田 耕造 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70110624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 美奈子 神戸女子大学, 家政学部, 助手 (00299083)
中井 昌子 神戸女子大学, 家政学部, 助教授 (20278807)
中西 正恵 神戸女子大学, 家政学部, 助教授 (20248115)
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Keywords | 体温調節反応 / 発汗 / 吸着熱(収着熱) / 皮膚血流量 / 吸湿性 / 下肢温浴 / 季節順化 / 衣服のゆとり |
Research Abstract |
本研究の目的は第一に綿衣服の吸着熱発生が人の温熱生理反応に及ぼす影響は、発汗反応を変化させる季節順化によって異なるかどうか明らかにすること、第二に衣服のゆとりの有無が温熱生理反応に及ぼす影響を明らかにすることである。第一に、28℃、50%に調節された人工気象室で、吸湿性の高い綿100%の半袖、半ズボン着用の健康な成人女子7名を被験者とし、下腿中央部まで水槽内に浸漬させ、下肢温浴にて水温34℃から41℃まで上昇する温熱負荷を、冬、春、夏に順化した条件で全く同一の実験を70分間行った。上腕部の衣服表面温度は発汗開始後いずれの季節でも上昇したが、その大きさは冬季、春季では平均で約0.6℃と大きく、夏季は平均で約0.1℃と著しく抑制された。衣服内温度は発汗開始から70分までに、冬季と春季ではそれぞれ約0.8℃と約0.4℃上昇したが、夏季は約0.7℃低下した。皮膚血流量は、前腕部では冬季最も増加が小さく、春季、夏季と変化するに従い、増加量が大きくなった。一方、胸部では増加量が最も大きかったのは春季であり、続いて冬季、夏季の順であった。同一衣服着用にもかかわらず、衣服気候、人の温熱生理反応に現われたこれらの変化は、季節に伴う人体の温度適応の結果を反映していると推察された。第二に、第一と同一環境の人工気象室で、吸湿性の高い綿100%とポリエステル100%の半袖半ズボンのいずれかを着用した健康な成人女子7名を被験者とし、下肢温浴負荷を70分間行った。衣服のゆとり無しの条件は、マジックテープを用いて圧迫感を感じない程度に密着させた。ゆとり有り条件は、フレームスペーサー24個を用いて2cmのゆとりを設けた。ゆとり無しでは、全身の温熱生理反応に皮膚の軽い圧迫に伴うと考えられる皮膚圧反射の効果が現われた。すなわち、発汗、皮膚血流量は上半身では抑制、下半身では促進し、その効果に吸湿性能の効果が相加的に現われた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tanaka, K., Hirata, K., Kamata, Y.: "Heat of sorption induced by sweating affects thermoregulatory responses during heat load"European Journal of Applied Physiology. 84. 69-77 (2001)