2002 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期における望ましい食生活の習慣づけに関する理論的・実践的研究
Project/Area Number |
13680138
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Research Institution | Nakamura Gakuen University |
Principal Investigator |
林 辰美 中村学園大学, 栄養科学部, 助教授 (40149646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 知子 中村学園大学, 短期大学部, 教授 (80069781)
本間 学 中村学園大学, 栄養科学部, 助教授 (40209341)
伊東 るみ 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (40291835)
稲益 建夫 中村学園大学, 短期大学部, 教授 (70127976)
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Keywords | 乳幼児 / 食習慣 / 乳幼児健診 / 生活習慣病 / 栄養教育 / 乳幼児食のデータベース化 |
Research Abstract |
本研究は、乳幼児健診を受診した児を対象に、縦断研究により乳幼児期の食生活を含む生活習慣および食品摂取状況と年齢発達の関連について検討し、効果的な栄養指導に不可欠な因子の抽出を目的とした。1.調査対象 福岡市H保健所において2001、2002年度に3歳児健康診査を受診した幼児を対象に、保護者に対して調査票を用いて自記入法により調査を依頼した。分析対象は2001年度受診児135人(追跡率81.8%)と2002年度受診児164人である。ここでは3,4歳児の断面調査研究結果を述べる。2.調査時期、調査項目および記入方法 健診時の体格、生活状況、食習慣、食品摂取状況等について調査票を用いて、幼児の現状を保護者が観察して回答する形式で行った。3.解析方法 解析は年齢、日常の食生活を含む生活習慣の点数化による得点区分(H群:19点以上,M群:16〜18点,L群:15点以下)について検討した。統計学的解析は対応のないt検定およびX^2検定を行い、年齢と諸要因の関連の検討には数量化理論I類を用いた。また食品摂取状況については、クラスター分析法のグループ間平均連結法により検討した。4.結果(1)身体発育および生活状況 1)各年齢、性別の身長、体重はともに全国平均とほぼ同値を示し、カウプ指数の平均は15.1±5.6kg/cm^2×10^4で、やせ〔13(kg/cm^2×10^4)未満〕は4.4%、肥満〔20(kg/cm^2×10^4)以上〕は1.6%であった。2)22時以降に就寝している割合は通園日が57.7%、休日61.7%であり、幼児健康度調査結果より高率であった。睡眠時間は9時間12分±48分であった。(2)食生活を含む生活習慣の検討 1)朝食を毎日食べる習慣は年齢が上がるにしたがって高い割合を示したが、平均的には80.0%に定着しているに過ぎない実態であった。 2)朝食喫食習慣と生活習慣については起床時刻、就寝時刻が遅い幼児に朝食欠食習慣がみられ、ともに有意性が認められた。一方、朝食喫食習慣が定着している幼児は健康状態が良く(X^2=10.24,P<0.05)、園の出席状況も良好であり(X^2=25.63)、また排便の時間帯が決まっている(X^2=31.80)ことが明らかとなった。(3)食品摂取状況の検討 各年齢層のクラスター形成を樹状図により解釈すると、共通点としてa.緑黄色野菜、その他の野菜の摂取がクラスターを形成する、b.肉類、魚介類の主要なたんぱく質源の摂取も早い段階でクラスターを形成し、さらに揚げ物・炒め物とのクラスター形成がみられ、かつaの野菜類とは別である、c.パン・めん類は、a、bとクラスターを形成しているが、ごはんは最終段階で別のクラスターを形成する、d.惣菜は冷凍食品とクラスターを形成し、同時にスナック菓子、菓子類およびジュース類とクラスターを形成することの4点があげられる。全体的に食品の摂取数が少なく、簡便食であることがうかがえた。
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