2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680148
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
久保 加織 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (10190836)
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Keywords | 水産加工食品 / なれずし / 脂質酸化 / 多価不飽和脂肪酸 / カルシウム / 揮発性成分 / 風味 / GCMS |
Research Abstract |
魚に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の生理作用が明らかになり、魚やそれを加工した水産加工食品が再評価されている一方で、多価不飽和脂肪酸は加工や貯蔵中に変化を起こしやすいことも明らかになってきている。本研究では、まず、魚を加工あるいは調理する間にその脂質がどのように変化するかを調べた。その結果、魚を煮干しや開き干しにすることで、脂質の酸化が進み、多価不飽和脂肪酸が減少し、さらに、脂質酸化は味や香りなどの風味に対しても大きな影響を及ぼすことが明らかになった。 次に、なれずしについて成分分析と官能試験を行い、その成分の風味に及ぼす影響を明らかにするための基礎データを得た。なれずしは、生魚の保存性を高め、独特の風味を付加した食品であるが、カルシウムを中心とした栄養価も期待される食品であることがわかった。すなわち、カルシウム含量が高いうえにリン含量との比が理想範囲にあり、カルシウムの有用な供給源になると判断された。なれずしの脂質を抽出し、酸化の程度を調べたところ、製造過程でほとんど変化のないことが明らかになった。さらに、脂質を薄層クロマトグラフィーで分画し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、脂肪酸組成は、生さばや塩さばとほぼ同じであったが、脂質クラスごとの脂肪酸組成は、なれずし製造中に変化が起こっており、なれずしの独特の味、香り、風味に大きく関与していると考えられた。なれずしの揮発性成分をSPMEに吸着させ、GCMSにより分析したところ、30-50種類以上の成分が検出された。揮発温度を変化させることで検出される揮発性成分に変化が見られたことから、口中に含む前後でわれわれの感じる風味に変化が起こることも予想された。嗜好テストでは、酸味と塩味が特に好まれなかったが、なれずしを食べた経験のある人ほど嗜好性が高く、生臭みは好まないが、独特の香りを好む傾向がみられた。
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Research Products
(1 results)