2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680185
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
太田 伸也 弘前大学, 教育学部, 教授 (50322920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 行雄 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50281910)
昆 正博 弘前大学, 教育学部, 教授 (70103017)
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Keywords | 数学教育 / 教材開発 / 教員養成 / 数学的活動 / 数学的モデル |
Research Abstract |
これまでの教材開発を継続するとともに,中学・高校や大学(主として教員養成課程)における実践事例の蓄積を進めた。また,研究成果報告書の作成に取り組んだ。 1.教材の開発および実践事例の蓄積 (1)日影曲線を題材とする授業に対応して,「太陽による影の動きのビデオ映像」を新たに蓄積した。また,昨年度に続き大学1年生における一般教養科目で,日影曲線の数学的モデルとして円錐の切断面の形に結び付け,二次曲線へとつなげていく扱いを試みた。 (2)小学校教員養成課程において実践してきた教材「円の面積を求める」について,レポートの分析を通して学生の数学観,数学教育観とその変容をとらえることを試みた。 (3)中学校教員養成課程や一般教養において実践してきた教材「袖の型紙(円柱の斜め切断面の形--サインカーブ)」の扱いの中でとらえた学生の数学観について検討した。 (4)「震源や震央を求める問題」の数学的モデルとして「三角錐の頂点から底面への垂線の足を求める問題」を導き解決するという教材の扱いを,教職科目「数学科教育方法論」における一事例として取り入れ,教材としての評価を試みた。 (1)〜(4)ほかの取り組み通して,これらの教材が,現実と数学とのつながりを意識すること,数学的な見方考え方を理解すること,数学の有用性を知ること等において有効であることがわかった。一方,数学的モデル化の部分に難しさを感じる場合があることや,数学的な考え方を「数学」として捉えていない例があることもわかった。 2.研究成果報告書の作成 研究成果報告書は,「I 数学的活動の具体化をめざす教材の開発」「II 算数・数学科教員養成のための教材開発とその実践」「III 島田茂『教師のための問題集』の研究と教材開発」の三部構成である。
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[Publications] 太田伸也: "図形教材の開発-「三角錐の頂点から底面への垂線の足を求める問題」の再構成-"日本数学教育学会誌 第85回総会特集号(愛知大会). 第85巻臨時増刊. 249 (2003)
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[Publications] 太田伸也: "教員養成課程の学生の数学のとらえ方についての一考察-数学的活動,数学的モデル化の理解を意図した教材の扱いを通して-"第36回数学教育論文発表会論文集. 543-544 (2003)
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[Publications] 太田伸也: "日影曲線の観察から円錐曲線へ-ビデオ映像を利用して-"日本教材学会 第15回研究発表大会プログラム 2003.11.8. 22 (2003)
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[Publications] 吉川行雄: "規格紙を折る-身近な素材からの教材開発-"日本教材学会 第15回研究発表大会プログラム 2003.11.8. 21 (2003)
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[Publications] 太田伸也: "太陽の動きを追ってみると・・・"教育科学 数学教育,明治図書,2004.3. No.556. 10-15 (2004)