2002 Fiscal Year Annual Research Report
手作業における手の巧緻性(器用さ)に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13680187
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Research Institution | MIYAGI UNIVERSITY OF EDUCATION |
Principal Investigator |
小住 兼弘 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60006450)
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Keywords | 手の巧緻性 / 手指運動機 / 視覚情報 / 視覚情報 |
Research Abstract |
1.本年度の研究:手の巧緻性の評価について、手作業のパフオーマンス(作業量・作業精度・作業時間)、視覚情報、手首関節運動、技能習熟の観点から大学生と小学生を被験者に分析を行った。 1)実験方法:一辺80mmの正方形の紙(0.2mm厚のケント紙)に描いた直径60mmの円(線の太さ0.8mm)を切断する, 2)被験者:大学生7名小学生(高学年11名,低学年6名) 3)切断方法:1)最初に被験者の任意のやり方で切断2)次に切断ポイントを指示して切断. 4)分析方法:1)、2)の切断の変化を時間的要素,切断の痕跡,手首関節角(橈-尺屈,掌-背屈)等から分析 2.本年度の研究で得られた主な知見: 大学生の円切断実験:1)切断時間と切断回数に正の相関が,むら(切断痕跡の太細)と切断回数の間に負の相関が、むらと切断紙持ち替えの間に負の相関が見られた.2)切断面の痕跡は切断ポイントの指示後痕跡のむらが滑らかになった.3)関節角度線図のパターンは切断ポイントの指示後単純なパターンから複雑なパターンに変化した. 小学生の円切断実験:1)高学年では指示前と後で痕跡の滑らかさに差違が認められたが,低学年では指示前後の差違が高学年ほどはっきりしない.2)高学年の円切断は切断作業が遅い者ほどむらの数が減少したことから,作業の速さは別にしても手先が器用に働いて滑らかな切断が行われたと考えられた.3)低学年では遅い者ほどむらの数が増加し,はさみを使う技能(習熟)が出来ていないことを示した. 3.本年度のまとめ:1)手の巧緻性は作業課題によってその要因は複雑で一義的に定まらないが,視覚情報と協応が手の運動に大きな要因となることを切断痕跡から明らかにした.2)手指運動機能が発達段階にある小学生低学年の手の巧緻性にこの要因が大きく影響していることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小住兼弘, 川田真一: "作業における巧緻性の評価について"第45回日本産業技術教育学会全国大会講演集. 26 (2002)
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[Publications] 小住兼弘, 川田真一: "手先の器用さに関する一考察 ねじ締め時の噛み合わせ動作について"日本産業技術教育学会第20回東北支部大会講演論文集. 15-16 (2002)
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[Publications] 小住兼弘, 川田真一, 阿部久美: "手作業における手先の器用に関する分析(第二報)"宮城教育大学紀要. 37. 259-267 (2003)