2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680274
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
南部 正人 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (00218075)
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Keywords | へき地小規模学校教育 / 鑑賞教育 / 遠隔地教育 / 美術教育 / インターネット活用 / 教員養成 / 図画工作科 / 美術科 |
Research Abstract |
本研究では、「へき地小規模学校の児童生徒」と「教員志望学生」とが、造形的対話を通して、造形イメージの生成と造形作品制作を共同で行うプログラムを開発する。プログラムは、(1)造形的対話ステップ、(2)造形作品制作ステップ、(3)作品の提供ステップを含み、本年は(1)を中心に全体のアウトライン形成を行った。具体的には以下の通りである。 (1)相互対話プログラムの開発を行った。このプログラムは、の段階を経て、相互のイメージの理解を図るもので、平成13年8月に北海道旭川美術館でのギャラリートークを通してその有効性の検討を行った。事例研究としてのプログラム運営では、「同一イメージを共有する」ことより「両者が、それぞれのイメージを取り入れて、当初のイメージを再構築し強化する」が、情意レベルでの他者理解に発展することが確認された。この点で、相互対話プログラムは概ね良好な結果が得られたとした。 (2)Webを通して、「学習発表会背景画」のイメージの共有化を図り、その結果を基に制作を行った。平成13年10月に遠隔地の児童(東神楽町立志比内小学校)を対象として、イメージ共有Webを制作し、運営した。このWebでは、学校側から示された演目と、児童の大枠のイメージを手がかりに、教員志望学生により資料収集と背景画モデルの作成、その提示、児童との対話を行い、イメージを共有した。このWeb運営を通して、相互理解が深まり、情意レベルでの他者理解に有効であるとの結論を得た。 (3)イタリア共和国において、作品解釈に関する資料を収集した。特に異文化理解としての作品解釈(非キリスト教文化圏への作品紹介)の面からの、平成14年2月に文献・映像資料を収集した。資料は整理中ではあるが、理解を促すための様々な努力が、他者との相互理解を目指す方法として、本研究に直接の示唆を与えることが明らかになった。
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