2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680290
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
礒部 洋司 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70151446)
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Keywords | 図画 / 手工 / 芸術教育 / 鉛筆画毛筆画論争 / 自由画教育 / 創作手工・自由彫塑 / 普通教育図画取調委員会 / エリザベス・P・ヒュース |
Research Abstract |
本研究は、明治・大正期の50余年を対象として、可能な限りの文献資料を渉猟・収集し、図画・手工科に関する記事・論文・著作を網羅した文献資料目録を作成することと、両科の教育思潮の変化とその要因を整理・提示することを目的とするものである。3年計画の2年目の年度を終えた。 本年度も雑誌・書籍等、文献の検索・複写資料の収集と整理を行うことを中心課題とした。雑誌に関しては、目次集成のある教育関係雑誌のうち,主だった民間教育雑誌の検索と複写資料の収集が終わり、各県教育会雑誌については、数誌分の収集を終え、他もリストアップが終了した。目次集成のない雑誌については金沢大学、国会図書館等において『石川県教育雑誌』『北海道教育雑誌』を閲読、関係資料を複写したほか、美術専門誌や各種新聞・雑誌を博捜、図画・手工科関係資料及び、英国女性教育家E・P・ヒュース関連記事の収集を行った。 書籍に関しては、前年度に続いてNACSIS Webcatによる検索、国会図書館始め各大学図書館等の蔵書目録、図書刊行目録、各書肆の古書目録などを精査、必要分の複写資料の収集を進めると共に、古書として購入可能なものはこれを購入した。収集した資料は順次コンピュータに入力して、文献目録の原稿作成を進めている。 本年度の成果としては、これまで殆ど語られることのなかったE・P・ヒュース(Elizabeth Phillips Hughes明治34年8月に来日、翌年11月に帰国した)関連資料をほぼ網羅、収集できたことが大きい。彼女は滞日中、四国を除く全国各地30数カ所で講演したがその中で度々、図画教育の改良に言及しており、これらの講演(とその記録)が以後の教育思潮の形成に多大な影響を与えたこと、「黒板画ブーム」とでも言ったような現象を巻き起こす要因になったことが明確になった。これらの知見は、次年度以降発表していこうと考えている。
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