2001 Fiscal Year Annual Research Report
長期授業参与による小学校英語教育カリキュラム開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
13680313
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
木村 裕三 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80304559)
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Keywords | 総合的な学習としての小学校英語活動 / 英語活動カリキュラム / 韓国初等学校の英語教育 / 第7次教育課程 / 中国の教育改革と小学校英語教育 |
Research Abstract |
1 授業参与観察 本年度(平成13年度)については、合計回の授業参与観察を行った。総合的な学習の一環としての英語活動カリキュラムの特徴として、参与観察対象校では、「必要感のある英語活動」と題し、海外の小学校との交流をすすめる上での英語表現に慣れ親しむという目的を総合的な学習としての英語活動に付与した。観察の結果、英語活動のほぼ7〜8割はALT主導による授業展開であり、その内容も、ALTの発案によるところが大きいことが判明した。一方で、海外の小学校との交流のための英語表現習得活動と、海外の小学校との交流を介した国際理解としての英語活動は、研究発表のための単元構想という意味合いが強く、その割合も授業全体からみると決して大きなウェイトを占めるものではなかった。今後、いかにALTとの打ち合わせ時間を持つか、各学級担任がALTとの関係をいかに深めていくかという課題が残っていると言える。 2 海外の小学校英語教育視察 韓国の初等学校英語教育の中学校英語教育に与える影響:韓国の初等学校4年生および、中学1年生の授業を参観し、それぞれの授業担当者と面談を行った。初等学校英語担当者との面談の結果、第7次教育課程が規定している能力別クラスの実現は、現在のところまだ実現に至ってはいないことが判明した。また、中学1年生の生徒は、1997年当時に初等学校3年生であった生徒で、韓国の初等学校に初めて英語が教科として導入された時の生徒であった。この生徒を担当する英語教師との面談の結果、今年の中学1年生の生徒の英語学力には、例年以上に格差が認められること、その格差は、初等学校における英語教育の結果というよりはむしろ、民間の英語学校における教育の結果ではないかということが判明した。 中国の教育改革と小学校英語教育:中国では現在教育改革が進行中で、小学校における英語教育は実験校では小学校1年生より導入されている。その内容は、韓国に類似しているが、教材の種類や実施時間数において韓国よりも柔軟性があることが判明した。一方で、英語担当教員の養成が急務であるという印象も受けた。
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