2001 Fiscal Year Annual Research Report
戦後、昭和20年代における総合主義教育研究―国語教育の視点から―
Project/Area Number |
13680333
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田近 洵一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60017952)
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Keywords | 総合主義教育 / 国語教育 / コア・カリキュラム / 単元学習 / CIE |
Research Abstract |
研究実績は以下のとおり. 昭和20年代の総合主義教育について、国語教育の視点からコミュニケーション能力育成の指導がどのように行われていたかを研究してきた。平成13年度は次の点で研究を行った。 1.戦後、昭和20年代の総合主義教育の歴史的経緯をCIE、IFEL、文部省などの動向から、各学校での動向、民間教育団体の動向、理論研究など含む範囲で調査した。 ・倉澤剛、梅根悟、太田堯、海後勝臣、その他理論家の文献。 ・コア・カリキュラム連盟の雑誌の検討。 ・IFELの資料を年次ごとに研究。 2.各学校での実践記録や研究集録、授業案、カリキュラムなどを調査した。調査資料はスキャナで読み込むなどして電子資料化した。入手した資料は以下の学校の資料である。 ・福沢小学校、北条小学校、東京第三師範付属大泉小学校福沢小学校においては、石山脩平との関係文献を調査し、その結果、親子常会などの伝統的な地域での活動を活かした学校づくりであり、新しく作り上げようとした学校ではないことが明らかになった。その他学校については、各種雑誌での報告をもとに再現している。 3.各学校での総合主義教育内容について、当時現場にいた教職員や関係者にインタビューした。 ・倉澤栄吉氏に総合主義教育についてインタビューコア・カリキュラムの場合、国語は周辺教科・用具教科として位置づけられている。それに対してカリキュラム、教育課程の問題ではなく、学習方法の問題として単元学習を提唱して来たのが倉澤栄吉氏である。倉澤栄吉氏は昭和24年に『単元学習と評価法』を刊行している。国語教育のアイデンティティを学習方法、特に評価法から取り組んだものであり、社会科を中心としたコア・カリキュラムと比較することで、国語科の独自性を検討した。
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